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すべての難民救う法改正を/入管法「改正」反対、当事者訴え

2022年06月07日 16:45 権利

名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性の死亡事件(2021年3月)は、日本の入国管理局の実態と出入国管理政策の深刻性を社会に知らしめるものとなった。しかし日本政府は、当事者と世論の反対により廃案になった入管法「改正」案を、今秋に見込まれる臨時国会で再提出する検討を進めている。これを反対し開かれた記者会見(1日)では、難民申請中の当事者が自身らの思いを語っていた。

問われる認定基準

迫害から逃れるためイランから移住したサファリさん(53)は3度目の難民申請中。過去に4年間、入管施設に収容されていた。

「入管は、審査のために迫害を受けた証拠をだせと言ってくるが、イラン政府に出してもらえるはずがない。入管側もそれを知ったうえで要求している」と難民認定の壁の高さを指摘。

2021年度、日本では2413人が難民申請を行ったが、そのうち認定されたのは74人で、全体の0.7%にすぎなかった。難民条約に加入している他国と比べ、認定の基準が著しく厳しいことが主な原因となっている。自国政府から「迫害を受ける恐れがある」という難民認定の要件に対する解釈が狭いため、紛争などから逃れてきた人は対象外にされてきた。ほとんどの申請者たちは、難民認定がおりるまで働くことを禁じられ、移動に規制がかかり、健康保険に加入できない非正規滞在者として扱われている。

一方、ロシア・ウクライナ紛争から逃れてきたウクライナ人は現在「避難民」として短期滞在ビザの発行や健康保険への加入が許されており、就労も可能だ。世間ではこうした日本の難民受け入れ体制の公平性に対し疑義が生じている。

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