公式アカウント

“在日同胞の未来を守る強大な祖国” / 激変の時代と朝鮮の進路 ④

2022年05月01日 08:20 共和国

戦略国家の自主路線と海外同胞重視政策

拡大強化された朝鮮の主体的力量とそれによって向上した国家の国際的地位は、社会主義建設の新たな高揚期、壮大な激変期が到来したことを明確に示していると指摘した朝鮮労働党第8回大会(2021年1月)で党活動の指針である党規約が改正された。社会主義執権党の活動指針が革新されたことにより、新法が制定された。今年2月、最高人民会議で採択された海外同胞権益擁護法である。

自尊・繁栄の時代を享受する一つの家族

新法の第1章第1条には「海外同胞権益擁護法は国家の海外同胞重視政策を徹底的に貫徹し、海外同胞の民主主義的民族権利と利益を擁護保障し、彼らを愛国愛族の旗の下に固く結び、民族的自尊心と愛国的熱意を呼び起こし、祖国の統一発展と繁栄のための道に積極的に乗り出すようにすることに寄与する」と明記されている。

朝鮮は海外同胞重視政策を一貫して推進してきた。在日同胞の子供たちのための教育援助費と奨学金が代表的事例だ。遠く離れて暮らす子供たちに学費を送る事業の資金が国家予算に含まれ、朝鮮戦争後の復旧建設が進められていた1957年から今日まで中断なく続いている。

海外同胞権益擁護法が制定されたことで、権益擁護に関する国家の使命と役割が明確に規制され、海外同胞との事業を主管する国内の機関がより幅広く、活力的に活動する法的担保が設けられた。海外同胞重視の長年の歴史でも一画を隠す出来事だ。

最高人民会議で海外同胞権益擁護法が制定された(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

最高人民会議で海外同胞権益擁護法の制定に関連して討論したメン・ギョンイル代議員は、この法律を徹底的に遵守し、わが国家第一主義時代の要求に合わせて、同胞たちとの事業を攻勢的かつ大胆に革新するための実務的対策を講じていくと述べた。

代議員が討論で強調した「わが国家第一主義時代」とは、朝鮮の党と政府と人民が国家の尊厳と地位を高めるための決死的な闘争の結果として誕生した「自尊と繁栄の新時代」(第8回党大会の報告)のことをいう。討論の趣旨は国力が高まり、国家の国際的地位が向上したのに合わせて、新たな高みで政策を遂行し、海外同胞も「自尊と繁栄の新時代」を共に享受できるようにするということだ。

金正恩総書記は、総聯(在日本朝鮮人総聯合会)は社会主義祖国の一部であり、在日同胞は祖国と一つの血筋でつながった親兄弟、一つの家族であると述べている。(総聯結成60周年に際して送った書簡) 強力な戦争抑制力に裏付けされた自主外交により国際政治に大きな影響を及ぼす戦略国家の海外公民は、これまでにない変化を体感することになるだろう。

冷戦終結後30年、再び到来した転換局面

朝鮮が戦略国家の地位に就くまでの道のりは平坦ではなかった。

20世紀末、ソ連と東欧社会主義が崩壊すると、西側諸国々は「冷戦終結」を資本主義の勝利と喧伝した。朝鮮は金日成主席の逝去(1994年)後、米国と追従勢力の悪辣な孤立圧殺策動、度重なる自然災害によって前代未聞の試練を経験しなければならなかったが、「苦難の行軍」と呼ばれたその時期、隣国である中国やロシアは朝鮮に支援の手を差し伸べなかった。

朝鮮は金日成主席の遺産である一心団結(首領を中心とした人民の結束)をさらに固め、その力に基づいて社会主義を守り抜いた。自力更生を実践し、金正日時代に強勢国家建設の土台を築いた。試練の日々に先端科学技術の集合体である人工衛星を初めて打ち上げ(1998年)、国家の安全を守るために21世紀に入り、初の地下核実験を断行(2006年)した。

金正恩時代に入り朝鮮は国家核武力を完成(2017年)した。1950年代の朝鮮戦争以来、長きにわたる交戦相手である米国の戦争挑発を封じ込める強力な自衛力を備えた朝鮮が戦略国家として浮上したのは、世界史の新たな潮流に合致する出来事であった。

無謀な反テロ戦争と拝金主義で肥大化した金融システムの破綻により国内外で打撃を受けた米国は衰退の下り坂に立っている。一方、中国は国力が向上するにつれ、以前よりも増して社会主義の原則と優越性について強調するようになった。

「米国による一極化世界」の姿は消え去り、資本主義システムの矛盾と欠陥が露呈している。そして30年余年前、社会主義の赤旗が降ろされ、混乱に陥ったロシアは自尊心を取り戻し、これまで続いてきた米国と西側諸国の傲慢と横暴に対して反撃を加えている。

世界史の転換期に朝鮮は国際社会で特別な地位を占めている。

社会主義強国建設を妨げる米国を「最大の主敵」と規定し、米国を「制圧」して「屈服」させると公言する国、中国・ロシアをはじめとする周辺大国との善友友好関係を強化しながら、国際的規模で社会主義・反帝自主勢力の連帯と団結を訴え主導する国は、朝鮮以外にない。

戦略国家の海外同胞たちも自尊と繁栄の時代を実感するようになる

在日朝鮮人運動の新たな全盛期

これまで朝鮮は、隣国・日本との関係でも自主外交路線と海外同胞重視政策を貫いてきた。

その結果、20世紀末に国交正常化を目指す3党(朝鮮労働党と自由民主党、日本社会党)共同宣言が採択された。(1990年) 21世紀に入り、朝・日首脳会談が開かれ、平壌宣言が発表された。(2002年)日本の過去清算に基づく国交正常化を確約した平壌宣言には、在日朝鮮人問題が過去清算の一部分であることが明記されている。

世界の面前で宣言したにもかかわらず、日本は変わらなかった。時代錯誤的な朝鮮敵視政策を追求し、総聯と在日同胞に対する弾圧と差別を続けている。

しかし、自尊と繁栄の時代を謳歌する朝鮮の姿は、過去とは異なる。対外的地位も変わった。国家の尊厳と地位は主観や抽象ではなく、世界がその国を接する観点であり、態度である。日本が米国と歩調を合わせ、朝鮮を誹謗し、対決姿勢を続けても、情勢発展と歴史転換の大勢が変わることはない。

今後、海外同胞権益擁護法に基づく新たな施策が実現し、「社会主義祖国の一部分」である総聯の活動領域も広がるだろう。

党第8回大会を起点として朝鮮が社会主義強国建設を推し進める期間は、総聯と在日同胞が祖国と共に歩み、在日朝鮮人運動の新たな全盛期を切り開いていく期間でもある。

激変の時代、戦略国家の誇り高い海外公民団体の進路は、難関はあっても敗北や後退はない上昇軌道であるはずだ。

(金志永)

 

Facebook にシェア
LINEで送る

関連記事