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【1報】「朝鮮が嫌い」ヘイト感情が動機の犯行/22歳被告、ウトロ放火容疑認める

2022年05月17日 12:08 権利

在日朝鮮人が集住するウトロ地区(京都府宇治市)の家屋に火をつけたとして非現住建造物等放火などで起訴された奈良県在住の有本匠吾(22、無職)被告の初公判が16日、京都地裁(増田啓裕裁判長)で行われた。被告は「事実として認める」と起訴内容を認めた。

起訴状によると、有本被告は8月30日、ウトロ地区の空き家に火をつけ建物7棟を焼失させたほか、昨年7月24日には名古屋市内の民団施設と、隣接する学校に火を付け、壁面や人工芝の一部を焼失させており建造物破損および器物破損にも問われている。ウトロ地区での放火では、同胞家屋や当時建設中であったウトロ平和祈念館に展示予定の立て看板など40点以上が全焼した。

検察は冒頭陳述で、被告は「無職となった劣等感から鬱屈した気分になり、その憂さ晴らし」として、以前から悪感情を抱いていた「在日韓国人関連施設」への放火を計画し名古屋市内での犯行に及んだと言及。しかし当時は目立った報道がなかったことから「物足りなさ」を感じたという。その頃、夏の甲子園で京都国際の朝鮮語の校歌が流されたニュース(同8月19日頃)に触れ、またウトロ平和祈念館が設立されるという情報をかねてから知っていたため「祈念館に展示予定の資料を燃やせば、社会から注目を浴びることができるだろうと考えた」と犯行までの経緯を明らかにした。

関係者は今後の公判で、有本被告の犯行が差別的動機に基づくヘイトクライムであることを司法が認定し、量刑にいかに考慮されるかを注視していきたいと述べている。

(金紗栄)

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