躍動する広島の未来に向け/参加者が見据える今後
2022年04月28日 14:29 民族教育広島初中高大同窓会「躍動キャンパス」
広島初中高創立75周年を記念して行われた大同窓会「躍動キャンパス」(4月17日)は、約500人の同胞が集い、世代を超えた卒業生らが学校の未来にむけた決意をひとつにする場となった。参加者、出演者らはこの日を迎えた喜びをかみしめながら、各々が学校と同胞社会のこれからを見据えていた。
12期、梁元康さん(67、総聯広島東支部副委員長)
久しぶりに同胞たちと学校に集まることができて嬉しい。何より、子どもたちが舞台で元気に歌って踊る姿を見て、胸がいっぱいだ。どんな状況でもしっかり根を張って朝鮮人として生きているかれらが頼もしく感じる。
私たちの時代は近隣の日本学校生徒らとぶつかることも度々あったが、今は共生の時代だ。先代が守ってきた学校でこれらも子どもたちがすくすくと育ち、共生社会に貢献してくれることを心から願う。
21期、李順喜さん(57、女性同盟広島・東支部二葉分会長)
コロナ禍で最近は学校との関わりが少なく、近くに住む同胞たちともなかなか会えない日々が続いていた。この同窓会があったから、同胞たちの顔を久しぶりに見ることができた。何十年ぶりに会う同級生、先輩、後輩たちと笑顔で再会できた。来て本当によかった。
学校は同胞コミュニティの中心だ。これまでもそうであったように、広島ハッキョが子どもたちの学び舎としてはもちろん、老若男女の同胞が笑顔で集う場になればと思う。
55期、李茂樹さん(23、朝青北支部委員長)
朝青員でリレーを繋いだ「75キロマラソン」、朝青バンド、フィナーレでの吹奏楽演奏に出演した。準備期間は忙しくもあったが、行事を成功させるため仕事のかたわら練習に励んだ。
「75キロマラソン」では約8キロを走った。先代たちが通った旧校舎の跡地を巡るということもあって、感慨深かった。若い世代でタスキをつないでゴールしたことにも意義を感じる。今日を契機に、自身らの世代がより団結して広島同胞社会を盛り上げる存在になりたい。
強い決意があれば、何をやり遂げるにも不可能なことはないと思う。これからも朝青活動を中心に、学校のためになる活動に励みたい。ウリハッキョがなかったら今の自分はいない。そのことを忘れず、自身の姿を通して恩を返していきたい。
57期、黄玲実さん(21、広島朝鮮歌舞団所属)
舞台では、オープニングとフィナーレで生徒たちと一緒に踊った。卒業生として、専従活動家として行事に寄与できたことが嬉しい。
実行委をはじめとする卒業生たちが心を一つにして準備に取り組んだ。私も自分にできることは何か、常に模索を続けて練習に励んだ。
生徒たちと一緒に踊ることは久しぶりでとても刺激になり、歌舞団としての使命も再確認することができた。コロナの影響がまだ続いてはいるが、制限された条件の中でもできることを見つけ出して、同胞たちが喜ぶ場を提供していきたいと思う。
(金紗栄)
【取材後記】
多彩な舞台、行き交う人びとの笑い声、朝鮮料理の香り―。同窓会当日、同校体育館はコロナ禍を忘れさせるほどの熱気に包まれていた。久しぶりに顔を合わす同胞たちは積もった話に花を咲かせ、これからについて語り合った。
「この子たちがわしらの未来なんよ」。舞台に立つ児童・生徒たちの姿を見ながら「子どもたちがおる限り、学校は守り抜かにゃいけん」と口々に語る同胞たち。
500を超える人びとの熱気だけでない、一人ひとりの学校に対する強い思いが熱を放っていた。
「広島の躍動はこれからだ」。そう確信することができた。