〈人・サラム・HUMAN〉日教組埼玉委員長/金子彰さん(65)
2022年03月02日 12:00 暮らし・活動豊かな共生社会のために
埼玉教職員組合中央執行委員長、埼玉県平和運動センター副議長を務める傍ら、「朝鮮学校を支える会・埼玉」の代表として、埼玉初中の支援活動において大きな役割を果たしている。
埼玉県内の中学校で約38年間にわたり教壇に立った。大学在学時には朝鮮問題のサークルに所属し、朝大生との学生交流などを活発に行いながら在日朝鮮人のルーツや朝鮮学校に対する理解を深めた。
「朝鮮学校には人間と人間の深い信頼関係、教育の原点がある」
民族教育の魅力についてそう話す一方で、子どもたちへの不当な差別に強い憤りを見せる。2年前、さいたま市が埼玉朝鮮幼稚班を備蓄マスク配布対象から除外した際にも抗議の先頭に立った。「いかなる理由があろうとも、子どもたちへの差別などあってはならない」。
差別解消のためには行政への働きかけとともに、学校の存在をより広く知らせ、理解を得ることが大事だと考えている。「朝鮮学校について正しく知り、みんなで支えていけたら」という思いから、日本学校の教員が埼玉初中で授業する「交換授業」で中心的な役割を担い、埼玉初中支援のための「埼愛キムチ」の販促も積極的に行っている。
「だれもが自分らしく生きられる豊かな共生社会を実現したい。そのためにも朝鮮学校の子どもたちにも平等に学習権がしっかりと保障されよう声を上げ続けるつもりだ」
(根)