〈本の紹介〉差別はたいてい悪意のない人がする/キム・ジヘ著
2022年03月04日 17:22 文化「悪意のない差別」に気づく
自身のことを差別主義者と思う人はどれだけ存在するだろうか。また、差別されることと同等に差別することに対して敏感になっている人はいるだろうか。
朝鮮学校に対する高校無償化、幼保無償化制度からの排除、補助金停止。そして街中で繰り返されるヘイトスピーチ、ヘイトクライム…。今、日本社会では在日朝鮮人をターゲットにした差別が官民一体となって起きている。
日本における社会的マイノリティである私たちは「差別される立場」にある。だが、違う側面で「差別する立場」に立っていないだろうか?
差別はいけないと思っている人はもとより、被差別体験がある人ですら差別をすることがある―。本書はこんな問題意識を投げかけてくれる。