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【寄稿】コロナ禍の2年-コロナと外国人差別(下)/安田浩一

2022年02月05日 09:00 権利

2020年初頭以降、新型コロナ感染症拡大の陰で起きた外国人排斥の流れは顕著であった。ジャーナリストの安田浩一氏の寄稿「コロナ禍の2年―コロナと外国人差別」を3回にかけて紹介する。

放火事件後のウトロ地区の家屋(筆者提供)

止まらないヘイト感染、拒否する姿勢を

2021年春、私は久しぶりに外国人技能実習生の取材に回った。

「日本に来たことを後悔している」と暗い顔を見せたのは、岐阜県内の工場で働くベトナム人実習生だった。コロナによる受注減で残業もなく、来日前に約束されていた給与も減額され、出国時の借金返済もおぼつかない。

仲間のなかには、職場から逃げ出し、違法であることを知りながら他の職種に移ったり、万引きなどで逮捕された者もいるという。

実習生の労働現場・縫製工場(筆者提供)

実際、外国人実習生の「犯罪」は、メディアで頻繁に取り上げられる。

万引き、賭博、農作物などの窃盗。こうした罪で逮捕される実習生がいることは事実だ。

だが、これを「外国人犯罪」の典型だとし、あたかも治安が脅かされているかの如く主張する向きもあるが、本当にそうなのか。

21年3月、富山県内で30万円相当の 日用品を万引きしたベトナム人実習生が窃盗罪で逮捕されたが、5月に行われた裁判で実習生は次のように訴えた。

「生活費と帰国するための飛行機代がどうしても欲しかった。ベトナムに帰りたくとも、金がないために帰ることができなかった」

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