短編小説「燃える島」10/黄健
2022年01月21日 07:50 短編小説大勲も貞姫もいい知れぬ喜びに目を輝かせていた。
あたりは、しだいに明るくなってきた。敵弾はますます激しくまわりをゆすぶった。しかし二人は、まるで戦争は遠くのことのように、幼い時代のこと、軍隊でのこと、工場でのことなど、とめどもなく語り合った。ふと、貞姫が話題を変えて、
「いま、私たちが、こうして座っていることを、金日成将軍はご存知かしら?」と笑いをふくんだ声で言った。
大勲も貞姫もいい知れぬ喜びに目を輝かせていた。
あたりは、しだいに明るくなってきた。敵弾はますます激しくまわりをゆすぶった。しかし二人は、まるで戦争は遠くのことのように、幼い時代のこと、軍隊でのこと、工場でのことなど、とめどもなく語り合った。ふと、貞姫が話題を変えて、
「いま、私たちが、こうして座っていることを、金日成将軍はご存知かしら?」と笑いをふくんだ声で言った。