短編小説「燃える島」13/黄健
2022年01月28日 13:57 短編小説「いけない! きみの任務は、それではない」
大勲の言葉は厳しかった。それでも、彼の顔を哀願するような眼差しでじっと見つめていた貞姫は、あきらめたような、低い声で言った。
「それでは……、私にも手榴弾をひとつくださいません? いよいよ、最後の時に使いますから……」
「いけない! きみの任務は、それではない」
大勲の言葉は厳しかった。それでも、彼の顔を哀願するような眼差しでじっと見つめていた貞姫は、あきらめたような、低い声で言った。
「それでは……、私にも手榴弾をひとつくださいません? いよいよ、最後の時に使いますから……」