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短編小説「春の農村にやってきた青年」21/千世鳳

2021年12月02日 07:09 短編小説

キルスは、胸に腕組みした指をぱたぱたはじきながら考えた。彼の澄んだ瞳には涙さえ浮かんでいた。

しばらくしてから、おやじがものも言わずにもっそりと戻ってきた。先ほどとは違って、思いなしか、多少、顔色もやわらいだようにも見うけられた。

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