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【書評】「在日朝鮮人美術史―1945-1962美術家たちの表現活動の記録」/古川美佳

2021年12月28日 11:14 寄稿

「主体的な在日朝鮮人美術を開く」ために

先般、11月24日朝鮮大学校教育学部美術科主催により開催された講演会「在日朝鮮人の美術史—研究内容とその軌跡、そして展望」に参加し、白凛氏の講演(他に上田雄三ギャラリーQ代表、司会・挨拶は李鏞勲朝大教授)を聴いて、その著作「在日朝鮮人美術史―1945-1962美術家たちの表現活動の記録」の意義を噛めずにはいられなかった。

この著は緻密な調査と聞き取りにより、朝鮮半島の激動の時代に活動した在日朝鮮人美術家たちの「闇に埋もれてきた証に光をあてた」ものである。それは日本における美術史、さらには文化芸術の歴史構築の実態(歴史化していく作業における視座、芸術と政治の関係など)をも問いかける内容になっている。

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