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〈時事エッセー・沈黙の声 18〉元病院職員はなぜウトロで放火したのか/浅野健一

2021年12月17日 09:00 権利

ヘイトの火元は戦後日本の歴史改竄

8月30日、京都府宇治市伊勢田町のウトロ地区で、空き家や南山城同胞生活センターが管理する倉庫など5棟が全焼し、住宅2棟が半焼した火災で、京都府警宇治署は6日、奈良県桜井市の男性(22)を非現住建造物等放火の疑いで逮捕した。宇治署は府警記者クラブへ、男性の氏名などを広報し、報道各社は実名報道した。

ウトロ地区は戦時中、軍指定の飛行場建設のために集められた朝鮮人労働者が住んだ歴史があり、今も子孫らの在日朝鮮人が暮らしている。住民らは、地区の歴史を紹介する交流施設「ウトロ平和祈念館」を来年4月に開館するが、倉庫に保管し、展示を予定していた生活用品や市民との交流などで使った看板などの歴史資料約50点が焼失した。

逮捕された男性は7月24日、名古屋市にある在日本大韓民国民団愛知県本部の建物と、隣接する韓国学校の雨どいに火をつけて焼損させたとして10月、愛知県警に逮捕され、器物損壊などの罪で11月、名古屋地検に起訴されている。

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