短編小説「燃える島」3/黄健
2021年12月31日 07:48 短編小説ちょうど、砲の修理をしていた中隊長は、急いでこの声の主の視線をたどって岸辺に目をうつした。その目がキラリと光ったかと思うと、彼は何も言わずに塹壕を出て、大股になぎさへ降りていった。砲弾で砕かれた岩のそばまで来ると、うずくまって倒れた兵士の傷を調べ、胸に手を当ててみた。それから兵士を抱き起こし、その腕を引っぱって、自分の背に負ぶおうとした。
ちょうど、砲の修理をしていた中隊長は、急いでこの声の主の視線をたどって岸辺に目をうつした。その目がキラリと光ったかと思うと、彼は何も言わずに塹壕を出て、大股になぎさへ降りていった。砲弾で砕かれた岩のそばまで来ると、うずくまって倒れた兵士の傷を調べ、胸に手を当ててみた。それから兵士を抱き起こし、その腕を引っぱって、自分の背に負ぶおうとした。