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短編小説「春の農村にやってきた青年」17/千世鳳

2021年11月28日 08:57 短編小説

その夜、二人は、隣の精米所から電線を引っぱってきた。そして、モーターに電線をつなぎ、ふいごと炉の間に羽根車のついたパイプを埋めた。彼女はとても気がきくので、キルスがいちいち言わないうちに、さっさと仕事を進めてくれるのであった。ペンチで上手に針金も切るし、釘を打つのもなかなかうまかった。彼は、この助手は自分の手足のように自由に動いているとつくづく感心した。

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