東アジアの平和、朝鮮半島の統一めざし/10・16国際シンポジウム
2021年10月19日 09:44 対外・国際日本の市民団体が主催
「東アジアの平和と朝鮮半島の自主的統一をめざす10・16国際シンポジウム」が16日、東京・千代田区の連合会館で行われた。主催である東アジア市民連帯を構成するフォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)、朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会などの各代表をはじめとする各界各層の日本人士、総聯中央の徐忠彦国際統一局長をはじめとする6・15共同宣言実践日本地域委員会メンバー、関東地方の同胞など約120人が参加した。また6・15南側委員会の執行部メンバーがオンラインで参加した。シンポでは日本、南朝鮮、米国の国際色豊かなパネリストとともに朝鮮半島情勢と展望について多方面からの活発な議論が交わされた。
米日南の専門家招き
シンポジウムではまず主催者を代表して、平和フォーラムの藤本泰成共同代表があいさつした。
藤本共同代表は、日本の市民団体が今夏、南朝鮮の各界や在日同胞と連帯し、米韓合同軍事演習の中止や民族教育権擁護など在日朝鮮人の権利問題に取り組んできたことに言及したうえで、「本集会では、日本の侵略と植民地支配に対する反省に立って朝鮮半島と東アジアをめぐる課題を俯瞰し、私たちが果たすべき役割が明示されることを期待する」と述べた。
次に、本シンポの協力団体である6・15共同宣言実践海外側委員会と南側委員会の代表がそれぞれあいさつした。
6・15海外側委の孫亨根委員長(在日韓国民主統一連合議長)は、「自主的統一をめざす在日同胞のたたかいに日本の市民が連帯していることが誇らしく、頼もしい。日本民衆との連帯強化は、朝鮮民族の自主的統一をめざすたたかいの明るい展望を切り開くものだ」と強調した。
南側委の李昌馥常任代表議長は、朝鮮戦争の終戦宣言提案など昨今の南北関係と、来年の南における大統領選挙、北京五輪などに言及し、「これを機に韓米合同軍事演習を中断し、平和協定締結へと進まなければならない。南と北、米国、日本の政策を精細に診断し、今後の課題を導き出すシンポジウムは新たな進展をつくりだす意義深い契機となる」と述べた。
シンポでは、元外務省地域政策課長の浅井基文氏が「米朝、南北関係打開・前進の可能性と日朝関係」について、本紙の金志永編集局長が「朝鮮の平和構築努力と対話のための条件」について、オンラインで米国から前ハーバード大学コリア学研究所研究員のシモン・チョン博士が「バイデン政権の朝鮮半島政策の展望と問題点」について、南朝鮮から仁済大学統一学部の金昌鉉教授が「文在寅政府への評価と展望、統一運動陣営の課題」について発表し、朝鮮統一支持日本委員会の北川広和事務局次長が司会を務めた。
各氏の発言を通じて朝鮮の原則的立場を確認し、朝米交渉再開のためには米国側からの対朝鮮敵視政策転換を示す具体的な政策提案、行動が先決であるとの認識を共有。北南関係前進については任期満了間近の文在寅政権が、北側が通信連絡線の復元で示した最後の機会を逸することなく、対米関係で自主性を貫徹できるか否かにかかっているとの展望が示された。
最後に、膠着状態の朝鮮半島情勢打開のため各国首脳が署名した宣言・声明を遵守することを日米韓政府に求めるアピール文が採択された。
朝鮮統一支持日本委員会の日森文尋議長は閉会の辞で、朝鮮半島と東アジアの平和を脅かす米国の対中政策、米日の対朝鮮敵視政策を批判する一方、文在寅大統領による朝鮮戦争終戦宣言の提案を評価し、朝鮮の通信連絡線復元措置を支持したうえで、「困難があっても日本の過去清算に基づく日朝国交正常化と日本人の責務である朝鮮の自主的平和統一のため引き続き奮闘したい」と述べて、シンポを締めくくった。
(金淑美)