〈学美の世界 33〉子どもたちの嬉しい「裏切り」／文真希

作品を創作する子どもたちの表情は大人顔負けの真剣さだ。五感で得た喜びや感動を「表現」というアプローチで仕掛け、納得するまで求め抜く。社会で積まれた既成概念でもがいている私たち「大人」は、良かれと思い子どもたちを「正解」へ導こうとしてしまう。しかしそれは子どもたちの自立を阻み、「無限の可能性」という萌芽を摘んでしまう。子どもには自力で本質にたどり着く力が備わっている。時には真剣に、時には全力で楽しんでいる彼らの眼差しと直向きさを是非「知って欲しい」と思う。教員の予想を遥かに超える嬉しい「裏切り」を見事にやってのけるのだから。