短編小説「幸福」21/石潤基
2021年09月18日 08:41 文化・歴史私は論告でも聞いている人間のように息を殺して淡々と語る友人の声に耳を傾けていた。そして玉珠という未知の女性をひとりで頭の中に描いてみた。どこか僕が取材中に出会った千里馬騎手たちの、燦然と光を放つ素晴らしい人間群像の中で、いつか会ったことのある人のような気がするのであった。
私は論告でも聞いている人間のように息を殺して淡々と語る友人の声に耳を傾けていた。そして玉珠という未知の女性をひとりで頭の中に描いてみた。どこか僕が取材中に出会った千里馬騎手たちの、燦然と光を放つ素晴らしい人間群像の中で、いつか会ったことのある人のような気がするのであった。