〈特集・ヘイト解消法5年〉包括的な差別禁止法を/識者、議員らが集会
2021年06月03日 16:07 権利 民族教育日本初の反人種差別法である「ヘイトスピーチ解消法」(「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みの推進に関する法律」。以下、「解消法」)制定5年に際し5月26日、NGO外国人人権法連絡会などの反人種差別5団体による院内集会「ヘイトスピーチ解消法から5年-差別禁止法の現段階」がオンラインで行われた。
「解消法」が制定された2016年は「障害者差別解消法」(※1)と「部落差別解消推進法」(※2)を含めた、いわゆる「差別解消3法」が施行された年でもある。19年には「アイヌ施策推進法」(※3)も施行された。集会では「解消法」施行後も悪化の一途をたどる差別の現状と日本社会に求められる法制度について識者らから発言があった。
生活、人生がそこにある
(一社)山口県人啓発センターの川口泰司さんは、ネット上にはびこる部落差別の現状と「部落差別解消推進法」を強化または改正する必要性について話した。
川口さんは、被差別部落の地名を一覧化した文書「部落地名総監」などにより、ネット上で部落出身者たちの名前や住所などが晒されている現状に触れた。部落出身者であることを強制的にアウティングされるばかりでなく、犯罪の標的になる状況に置かれていると川口さんは危惧する。自身も、家に脅迫ハガキが届き「それを発見したのは、幼い娘だった」。