〈特集・ヘイト解消法5年〉連なる問題、続々と/入管法「改正」反対の現場から
2021年06月03日 14:16 権利 民族教育問題の根底に植民地主義
院内集会では、師岡弁護士らによる発言のほか「移住者と連帯する全国ネットワーク」の安藤真起子事務局次長が、出入国管理及び難民認定法(入管法)と関連し特別報告を行った。
安藤氏はまず、昨今の入管法「改正」反対運動の取り組みについて概括した。
「解消法」の施行から5カ月後の2016年11月18日、日本政府は、移民・難民への罰則規定の強化などを盛り込んだ「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律」を成立。18年には現行法である「出入国管理及び難民認定法」が成立され、今年、12回目の「改正」案採決の動きに至った。
このように、「解消法」制定という人権救済のための「画期的な一歩」を踏み出した裏では、問題の根底を同じくする在日外国人排斥の政策がとられていた。安藤氏も「入管法の問題と『解消法』は切っても切り離せない関係にある」と指摘した。
4月16日から衆議院で審議が続いた今回の入管法「改正」案は、名古屋入管でスリランカ人女性が死亡(3月6日)した事件に対する批判の高まりを受け、5月18日に取り下げられ、事実上の廃案となった。