〈学美の世界 28〉子どもの造形力に憧れる/姜泰成
2021年04月04日 07:30 文化子どもの体感が画面いっぱいに表された作品だ(作品1)。
入り口のドアを開けると薄暗い空間が静かにせざるを得ない印象を演出する。
閉ざされた空間の特異な空調を肌に感じる。足元だけ照らされたライトは子どもの背丈からはかなり明るく映ったことだろう。わずかな灯りに照らされた座席へ続く階段は転倒防止の反射板だけが目に入る。薄暗い周りと一体化して見えるのは階段の輪郭だけ。やっとたどり着いた座席は子どもの体にはあまりある大きさであった。描いている子どもの五感が最大限に起動していることを作品が物語っている。
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