〈九州無償化裁判〉無償化実現まで闘い続ける/福岡朝鮮学園が声明
2020年11月01日 10:25 民族教育朝鮮学校を高校無償化制度から除外するのは違法だとして、九州中高の生徒、卒業生ら68人が国に対し提訴した国家賠償請求訴訟(九州無償化裁判)の控訴審判決で福岡高裁は30日、1審の福岡地裁小倉支部判決を支持し、国の判断を「適法」とする不当判決を下した。これと関連し同日、福岡朝鮮学園が声明を発表した。以下、声明全文。
声明「福岡高裁判決について」
2013年12月19日、九州朝鮮中高級学校の生徒68名が「高校無償化」からの排除の不当性を訴えて、日本国を相手に国家賠償請求訴訟を提起して6年10ヶ月、福岡高等裁判所は、昨年の小倉地裁不当判決に続き、本日、原告敗訴判決を下しました。私たちは、これを「高校無償化」法の趣旨に反し、子どもの学習権や民族教育の意義を一顧だにしない不当判決と捉え、強く抗議します。
全国5カ所の裁判では就学支援金の受給権が高校生1人1人に与えられた権利であることを忘れ、「高校無償化」法の趣旨を無視し、国が主張する「不当な支配」論に基づき、高校生や学園の請求を棄却する判決を繰り返してきました。本日また福岡高裁が不当判決を下し、「人権の砦」であるはずの司法が自らその役割を放棄し、朝鮮学校差別に不当な「お墨付き」を与えたことは、極めて深刻な事態です。
昨年「改正子ども・子育て支援法」が国会で成立し、幼児教育・保育無償化がスタートいたしました。
ところが、全国の朝鮮学校幼稚園や、インターナショナルスクールなど、各種学校の認可を受けて幼児教育を行っている外国人幼児教育施設だけ検討から外された結果、無償化の適用除外となっております。
なぜ、朝鮮高級学校や各種学校の幼児教育施設だけがこの無償化から除外されているのでしょうか。
この国がいう「すべての子どもたち」には朝鮮学校・朝鮮幼稚園に通う生徒や幼児は含まれていないのでしょうか。