公式アカウント

【投稿】コロナ禍に思う民族教育の根幹/金有燮

2020年07月30日 11:14 民族教育

コロナ禍でも多くの方々の支えで危機を乗り越えた(写真はオモニ会からカンパを受け取る筆者)

ソーシャルディスタンスや、オンラインにテレワーク、そして新しい生活様式… コロナ危機は世界的な人間社会のあり方を大きく変えた。これからの「ウィズ・コロナ」や「アフター・コロナ」の時代は、人類に社会システムや現代人の生き方自体を根本的に考え直す大切な課題を突きつけている。

それはウリハッキョでも同様であろう。 ウリハッキョでは、臨時休校のショックに負けることなく、すぐに対応したオンライン授業のおかげで1学期の教科過程案を無事に終了することができた。 また同胞たちや日本の方々たちによるありがたい募金活動によって財政の危機も当面、回避することができた。

ウリハッキョでは、第1波の歴史的なコロナ危機を多くの方々の協力によって奇跡的に乗り超え勝利することができたのだ。 この過程は決してありふれた簡単なものではなく、愛と涙の感動連続ドラマそのものであり、とても大きな意味を持つであろう。

「密」を避けに避けたこの期間、逆に人とのつながり、集団の大切さ、違うもの同士が共存し合う重要性を生徒たちと共に強く感じることとなったのである。

初めて実施したオンライン授業の経験も同様である。知識だけなら、遠隔でも教えることは十分に可能であった。アクティブに学び自立性を養うにはより有効な場合もあるほどだ。 しかし同時に私たちは、学校教育においてより大切な集団の中でのふるまいや人間関係の体験などは、対面や集団の中でしか学ぶことができないという当然の事実をしっかり再確認することとなったのである。

考えてみれば、この助け合いによる集団生活からの学びこそが「一人はみんなのために、みんなは一人のために」をモットーにした民族教育の根幹であり、先代たちが私たちに残してくれた貴重な財産なのである。そしてそのすべては、窮屈なコロナ対策の中でもハッキョ中にあふれている子どもたちの笑顔の中にいつも宿っているのだ。

今後も私たちはこれらを変わらぬ教育の基本にしっかりと据え、第2波、第3波へ備えたい。 これから始まる新しい時代にこそウリハッキョは、本来備わる根源的優越性をより十分に発揮していくであろう。

依然、コロナ対策においても朝鮮学校は差別され続けている。日本政府はこれを機に朝鮮学校潰しへ、さらにやっきとなるに違いない。 しかしこの闘いのすべてを先代たちがいつも空から見守ってくれているであろう。私たちは決して負けるわけにはいかないのだ。

(千葉初中校長)

Facebook にシェア
LINEで送る