〈幼保無償化〉素晴らしい民族教育、実態を/大阪要請団
2020年07月17日 15:42 民族教育15日、幼保無償化問題の関係府省に対する大阪の要請活動では、4万240筆の署名(大阪、奈良)と要望書が提出された。要請では朝鮮幼稚園の関係者、保護者、日本人支援者、紹介議員らがそれぞれの思いを述べた。発言内容の一部を紹介する。
大阪朝鮮学園・李俊男代表理事
3月まで朝鮮学校で教員を務めてきた。日本政府は国際化を目指し、待機児童を減らすために保育園を増やしている。それに沿って朝鮮幼稚園では、一生懸命園児を育て、延長保育もしている。にもかかわらず、なぜ無償化の対象から外されるのか。幼稚園を見てきてくださいと要請してきたが、一度も見に来られたことがない。行動に起こさない理由が理解できない。
大阪朝鮮学校を支える会・大村和子代表
朝鮮学校が高校無償化から除外されて10年。自治体の補助金も不交付となり、朝鮮学校は苦しい状況に置かれている。朝鮮学校の子どもも親も、府庁前で毎週行う「火曜行動」で「日本社会はなぜ私たちを差別するのか」と訴えている。私は日本人としてとても恥ずかしい。朝鮮学校の子供たちは幼い頃から朝鮮語で学ぶことで肯定感を育み、朝鮮人として誇りを持って生きていく。そのような教育の実態をどうか見てほしい。
大阪オモニ連絡会・申千玉代表
高校無償化除外という国の差別に連動する形で、朝鮮学校の幼稚園に対する補助金が打ち切られている。そのため、自治体による支援が前提条件の調査事業から対象外になっている。この根拠自体おかしいではないか。息子が高校無償化から除外されて早10年、今度は孫が幼保無償化から除外された。幼稚園から大学まで朝鮮学校はすべて排除されている。この仕組みに意図があるのは明らかだ。
大阪民族教育対策委員会・金政義副委員長
自治体の支援が調査事業の前提条件になっているので、大阪の朝鮮幼稚園は入り口から入れない。市役所などを訪ねても窓口がなく、たらい回しにされてしまう。かつて阪神淡路大震災では同胞が日本人たちと支え合い、困難を乗り切った。われわれも社会の一員だ。朝鮮学校に通う子どもたちは、よりよい社会を築く地域の財産。朝鮮幼稚園を幼保無償化の対象として適用してほしい。
立憲民主党・尾辻かな子衆議院議員
幼保無償化制度は「すべて」の子どもたちを無償化の対象に含むとしているが、一部の子どもたちがこぼれ落ちている。多くの国の予算が使われている調査事業でも調査対象にばらつきが出ているのはおかしい。今日提出する署名、一筆一筆に込めている気持ちをしっかり受け取ってもらいたい。
(まとめ・李永徳、写真・金紗栄)