〈学美の世界 19〉喜び、発見、感動、驚き、探求…／成明美

異国の地で長い足跡をたどってきた在日コリアン。

幾重もの艱難辛苦を乗り越えいつの時代もたくましく生きてきた在日コリアンの〝今〟を一番リアルに伝え感じさせてくれるのは学生美術展を彩る子どもたちの作品ではないだろうか。

展示場に一歩足を踏み入れるとそこには、喜び、発見、感動、驚き、探求…。

豊かな感性に満ち溢れた子どもたちの心と目が捉えたさまざまな日常がある。学校や家庭での出来事、日本社会の中で見て聞いて触れて感じ、思うこと。縛られることのない、自由で、ときには大人たちの思いもよらない大胆な発想とユニークな視点で創作された作品は観るものの目をひきつける。

そこにあるすべての作品の背景に子どもたちの成長を見守り、促し、一瞬一瞬を見逃さず、思うがままに素直に表現できるよう寄り添う教員たちの息づかいと在日の歴史と共にウリハッキョと子どもたちを守り育む、温かくたくましい同胞社会の日常がある。

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