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遠くにいても、いつも心は/福岡初級と櫻井一家、5人兄弟がウリハッキョに

2020年05月07日 07:00 民族教育

新潟から福岡に帰ってきた櫻井一家。九州中高入学式での一枚(写真提供=本人)

“5人兄弟がいる櫻井一家が福岡に帰ってきた”

子どもたちが以前通っていた福岡初級の児童、保護者、教員らみんなが、この知らせに喜んだ。父である櫻井均さん(40)の事情で他県に引っ越したものの、約2年ぶりに福岡で暮らすことになった同一家。転機は、昨年9月に行われた「第11回中央オモニ大会」だった。母の張吏亜さん(45)は当時を振り返り、「運命だったのかもしれない」と目に涙を浮かべた。

見違えるほど生き生きと

元々、東京都足立区に住んでいた櫻井一家は、東日本大震災を機に福岡に引っ越した。福岡に知り合いはおらず、子どもたちを日本学校に通わせようと思っていた。そこへ福岡初級の趙星来校長が訪ねてきた。足立に住んでいた頃、子どもたちを夏季学校に送っていたのだが、そこで知り合った東京第4初中の教員と繋がりを持っていたのだ。

趙星来校長から誘いを受けた夫婦は、長男と次男を福岡初級の土曜児童教室に送り、そのうち三男を幼稚班に入れることに。当時は「ウリハッキョも幼稚班までなら」と考えていた。

福岡初級アボジ会主催の地引網を楽しむ子どもたち

それから半年が経った9月下旬、一家は福岡初級アボジ会が主催する地引網に参加した。このイベントを思い切り楽しんだ子どもたちは、福岡初級に通う児童らと意気投合。最終的には、ウリハッキョに「行きたい!」と言い出した。

母の張吏亜さん自身、学校や保護者たちの雰囲気にかねてから好感を抱いていた。子どもたちへの接し方を見ても、日本学校とは「温かさが違った」。当時、日本学校の教育現場に「違和感」を抱いていた張さんは、夫と話し合った末、長男と次男を福岡初級に編入させた。2014年11月のことだった。

それからというもの、子どもたちの表情は以前とは見違えるほどにいきいきしだした。近隣の日本学校とは違い、福岡初級までは約1時間かかる。バスと電車を乗り継ぎ、重い荷物を背負って登下校しなくてはいけない。「なのに文句ひとつ言わなかった」(張さん)。それほど学校に通うのが、楽しくて仕方なかった。

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