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〈国境都市・新義州ルポ(下)〉軽工業発展をけん引

2019年09月02日 14:32 共和国

紙生産に突破口

【新義州発=金淑美】国内屈指の工業都市である新義州市。約180平方kmの面積に紡織、化学繊維、機械などの大小数多の工場・企業所が所狭しとひしめき合う。とりわけ軽工業においては、新義州化粧品工場や新義州化学繊維工場、新義州紡織工場など出色の工場が林立する同市が国全体の発展をけん引してきたといえる。現在、同市では国の経済建設、生活向上に拍車を掛けるべく、より高度な自立的成長を実現する取り組みが活発に行われている。

「アシの紙」で教科書を

軽工業品の生産において全体のうちで大きな比重を占める新義州市。中でも根幹をなすのが繊維工業だ。

新義州化学繊維工場と新義州紡織工場では、鴨緑江河口の西海に浮かぶ島々からなる薪島郡に繁茂するアシを主原料とし化学繊維、紙、布などを生産する。

薪島郡のアシの工業的利用は1950年代から進められてきたが、新義州化学繊維工場では最近、このアシを利用した100%非木材パルプによる紙を独自の力で開発・生産することに成功した。

朝鮮の紙生産は原料である木材パルプの主な供給地であったソ連・東欧社会主義の崩壊とその市場の消滅により致命的な打撃を受けた。経済的試練に直面した1990年代後半の「苦難の行軍」時代、乱伐による山林の荒廃により国内でも木材の供給が困難になり、近年にいたっては「史上最強」とされる経済制裁により製紙産業は苦境に陥っていた。

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