〈本の紹介〉再論 朝鮮人強制連行/飛田雄一著
2019年05月09日 11:12 歴史史実を心に刻む
在日朝鮮人への差別、戦後補償問題について調査するようになったきっかけは、より身近で現実的な、居住地域における植民地支配の痕跡を発見していく過程にあった。
本書は、生まれも育ちも神戸で、現在、神戸学生青年センターの館長をつとめる傍ら、在日朝鮮運動史研究会関西部会代表、強制動員真相究明ネットワーク共同代表である著者が、兵庫県下を中心に、朝鮮人強制連行に関し行ってきた地道で積極的な調査・交流についてまとめたもの。
総括的な2つの「講演録」(第1部)にはじまり、アジア・太平洋戦争時における神戸港の朝鮮人・中国人・連合国軍捕虜の実相と「平和の碑」建立に至る経緯について展開した第2部「神戸港 平和の碑」、兵庫での在日朝鮮人研究の必要性などを説いた第3部「論考」、朝鮮人強制連行と関連するさまざまな交流集会等の記録を収めた第4部「交流集会」まで、その時々に発信してきた研究成果を全4部構成でまとめた。