広がるデリバリーサービス/多様化するニーズに対応
2018年04月06日 15:22 共和国ファストフードが人気
【平壌発=文・李相英、写真・盧琴順】近年、朝鮮では人民生活の各分野で、人々の多様化するニーズを反映したさまざまなサービスが展開されている。飲食店が顧客から注文を受けて、食べ物や飲み物を指定された場所まで配達するデリバリーサービスもそのうちの一つだ。
配達エリアは平壌全域
顧客から注文を受けた商品を、指定された日時に指定された場所へ届けるという広義の配送サービスは、朝鮮国内で飲食店以外にもデパートやスーパーマーケットなどの小売りをはじめさまざまな分野で以前から行われていた。
数年前から、国内のコンピューターネットワークや移動通信ネットワークを通じたオンラインショッピングなどの電子商取引のプラットフォームが登場するにしたがって、デリバリーサービスもますます盛んになっている。近年は、個別の店舗が開設するウェブサイト以外に、さまざまな店舗や企業所などを集めたオンラインモールも人気だ。スマートフォンを使って買い物をしたり、食べ物や飲み物を注文したりする光景が人々の暮らしの中に浸透しつつある。
飲食分野におけるデリバリーサービスといえば、朝鮮でも多分に漏れずファストフード店が最もポピュラーだ。
平壌市平川区域にある複合サービス施設・妙香館(2014年オープン)の中にあるハンバーガーショップもデリバリーサービスを積極的に展開している店舗のうちの一つ。同店は15年に開店した。デリバリーサービスは開店当時から行っているという。
3月下旬のある金曜日の夕刻、取材のため同店を訪れた。
若者や外国人客でにぎわう店内。レジカウンターには「주문송달봉사 합니다(注文送達サービス承ります)」の案内掲示に電話番号が貼り付けられていた。
デリバリーの注文方法はオンライン、電話、店頭の3つがある。
オンラインでの注文は、同店が加盟するオンラインモールを通じて行う。パソコンやスマートフォンからアクセス可能だ。
3つの方法の中で一番多いのは電話による注文だ。電話口で注文内容と届け先の住所、注文主の名前と電話番号を伝えればOK。店舗の営業時間は9時から22時までとなっているが、注文はオンラインと電話で24時間受け付けているという。会計は品物受け渡しの際に行う。配達エリアは平壌市全域で、別途、配送料は発生しない。主力メニューである各種ハンバーガーのほかにフライドポテトやチキンなどのサイドメニュー、ドリンクまですべてのメニューが配達可能だ。
支配人のチン・ジョンファさんによると、デリバリーサービスの利用者は大学生をはじめとする若い世代、海外生活経験者、平壌在住の外国人が多いという。もちろん、現地に滞在している海外同胞も利用可能だ。
ハンバーガーショップ以外に、平壌市内に数店舗あるイタリア料理店もピザやパスタといったメニューをデリバリーしてくれる。
外国人、海外同胞も利用可
ものは試し、ということで、記者も妙香館のハンバーガーショップでデリバリーサービスを利用してみた。