〈朝米核・ミサイル問題への視座 1〉朝鮮はなぜ核・ロケット開発を続けるのか
2017年10月19日 11:47 朝鮮半島自衛と核戦争抑止のための国防力強化措置
米国による核戦争脅威から自国を守るため国防力強化を続ける朝鮮。しかし日本では政府、マスメディアが一体となって戦争危機を煽っている。本紙では、朝鮮の公式立場に基いて、朝米の核・ミサイル問題を10回にわたって解説する。
朝鮮は歴史的に米国の核の脅威に自国の生存権を脅かされてきた。1950~53年の朝鮮戦争で、米国は核兵器の使用を検討し、戦後には、戦争再発防止のため武力増強を禁止した停戦協定の第13項などに違反し、核兵器を南朝鮮に持ち込んだ。南朝鮮に対する米国の核兵器配備はその後も増大し、70年代半ばに1000発を超えたとされている。60年代末からは核兵器の使用を想定した南朝鮮軍との合同軍事演習を行っている。
90年代以降、クリントン政権時代に核問題をめぐる朝米対話が進み、94年の朝米枠組み合意など一連の合意が生まれたが、ブッシュ政権(01年発足)は合意を一方的に破棄し、02年1月の一般教書演説で朝鮮を「悪の枢軸」と指定し、対北強硬策を打ち出した。同年、米国防総省が発表した核態勢見直し報告書(NPR)は、朝鮮を含む7ヵ国を「核先制攻撃」の対象に指定。朝鮮半島における核戦争危機が一段と高まった。オバマ政権(09年発足)も「戦略的忍耐」を唱え、前政権の対北政策を踏襲した。