〈人・サラム・HUMAN〉朝鮮ろう者協会副会長/リ・グクチンさん
2017年09月11日 15:58 共和国“朝鮮の手話の標準化”目指す
近年、障がい者の権利保護への関心が高まっている朝鮮で、ろう者の生活改善のために尽力する。リ・グクチンさん、32歳。朝鮮障がい者保護連盟中央委員会の朝鮮ろう者協会副会長を務める。
2歳の時に聴力を失ったリさんは、小学校まで普通学校に通った。「健常者の友人たちと意思疎通ができないことが、幼心に切なかった」と当時を振り返る。
11歳の時に江原道の元山ろうあ学校に入学。職業教育を受け卒業した後に、木工の職につき、2012年には障がい者機能工学校も卒業した。
リさんにとっての転機は、14年3月、新たに発足した朝鮮ろう者協会の副会長兼手話普及養成員を任されたことだった。「人生の新たな出発だと感じ、全身に力がみなぎるようだった」。
朝鮮では現在、地方ごとに異なった手話教育が行われている。リさんが目標に掲げるのは「朝鮮の手話の標準化」だ。
手話普及養成員の育成、学校や家庭を訪問し行う手話講習、手話解説入りの各種刊行物の普及作業を行うかたわら、自ら手話普及のための動画を撮影・編集するなど並々ならぬ情熱を注ぐ。
障がいを持つ人々のより良い暮らしのために奮闘する日々。そんなリさんを支えるのは家族の存在だ。ろう者である妻との間に生まれた健常者の娘も、最近手話を習得し、家族間では毎日、仲睦まじい「会話」が交わされているという。「幸せにあふれた、やりがいのある日々」と笑顔を見せる。
【平壌支局】