朝鮮統一支持全国集会シンポジウム
2016年12月01日 14:10 朝鮮半島朝鮮半島の平和と核の問題に焦点
朝鮮統一支持運動第34回全国集会in長野の全体集会(11月19日)で行われたシンポジウム「朝鮮半島の平和・統一をめざして―日米韓軍事同盟の本性を暴く」には、軍事評論家の前田哲男さんと朝鮮大学校の高演義客員教授がパネリストとして登壇した。各氏の発言(要旨)を紹介する。
暴走する「安倍安保」の危険性
■前田哲男(軍事評論家)
動き出した戦争法
第2次安倍政権において、戦争法(安全保障関連法)が成立する過程を3つのステップに区切ってたどってみよう。第1段階(2013年11~12月)では、「日本版NSC」と呼ばれる「国家安全保障会議」設置法案と「特定秘密保護法案」の2法案を成立させ、「武器輸出3原則」を放棄し(「防衛装備移転3原則」と改称)、政策転換を図った。
これを受けた第2段階が、2013年12月17日、戦争法案に先行して閣議決定された「国家安全保障戦略」、「防衛計画の大綱」、「中期防衛力整備計画」からなる「防衛三文書」だ。これら文書によって、安倍政権の安保政策の方向性、輪郭が打ち出された。国家安全保障戦略と防衛計画の大綱では、朝鮮と中国が「仮想敵国」として名指しで認定されている。とりわけ朝鮮の「脅威」が中国より上段に出てくるばかりでなく、記述量も多い。
また中期防衛力整備計画には、「(朝鮮の)弾道ミサイル攻撃への対応」として、日米共同の兵器開発の推進や共同訓練・演習を行うことなどが明記されている。
第3段階(2014年5~7月)は、「集団的自衛権の行使容認」、「戦争法案」の閣議決定から国会での強行採決にいたる段階だ。
安倍政権は集団的自衛権の行使を可能にすべく、憲法第9条の下で許容されている自衛権の行使は「日本を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものである」とする政府解釈を変更し、自衛権発動の3要件の第1要件、「わが国に対する急迫不正の侵害があること」に、「わが国と密接な関係にある国」を追加することで、日本のみならず第三国に対しても自衛権の発動を認め、これを戦争法すべての根拠にした。