〈2016・風景に抗う 7〉歴史に向き合い生まれる新たな連帯/北海道・東アジア共同ワークショップから
2016年10月21日 10:48 歴史遺骨問題を放置する日本政府
戦時中、約14万5000人の朝鮮人が強制連行されたという北海道の地で、若者を中心に、歴史を掘り出し、記憶する試みが約20年にわたって行われている。
今夏におこなわれた「2016夏・東アジアの平和のための共同ワークショップ『記憶を刻む平和の旅』~朱鞠内、浅茅野、美唄、札幌~」(主催・強制労働犠牲者追悼・遺骨奉還委員会)には日本、南朝鮮、台湾、そして在日の若者たち約40人が参加した。過去の歴史に向きあい、それを記憶する市民たちの姿を取材した。
平和を実現する歩み
「光顕寺から発見された約70基の位牌。これが私たちの活動の始まりでした」。殿平善彦共同代表(一乗寺住職)は、光顕寺に安置された位牌を手に、集まった若者たちに語りかける。1976年、朱鞠内を訪れた殿平代表らは、1935年から45年に死亡した10代~20代の若者たちの位牌を見つける。位牌の裏面に記されている氏名と幌加内町役場保管の「埋火葬認許証」を照合すると、ほとんどが名雨線鉄道工事、雨竜ダム建設工事の犠牲者であることが明らかになった。そこから、多くの朝鮮人強制連行犠牲者と日本人タコ部屋労働者たちの犠牲を調査・発掘する作業が「空知民衆史講座」を中心に始まった。