今年も盛大に、第54回日朝友好展
2016年06月16日 13:55 文化259人の絵画、書芸など348点展示
54回目となる日朝友好展(主催=同運営委員会、後援=神奈川県、神奈川新聞社ほか)が7~13日、神奈川県横浜市の横浜市民ギャラリーで開かれ、同胞、日本市民ら566人が会場に足を運んだ。
1960年に川崎ではじめて開催された同展覧会は、その後、半世紀以上もの長きにわたり両国の友好と文化交流を願う日本市民と在日朝鮮人の芸術家や愛好家たちによって続けられてきた。
展覧会には、黒岩祐治神奈川県知事からのメッセージも寄せられた。黒岩知事は、神奈川県内に168の国と地域の約17万4千人の外国籍の人たちが暮らしていることについて触れ、「展覧会を通じて市民同士が互いの文化に触れあい、国籍を超えた相互理解がいっそう進むことを期待している」と伝えた。
会場には、絵画・書芸・写真・詩歌・工芸の5つの部門が設けられ、神奈川県にある4つの朝鮮学校と西東京第2初中の園児・児童・生徒らの絵画、書芸作品を含めた259人、348点の作品が展示された。なかでも朴正文さんの油彩「踏みにじられた鳳仙花」(複写版、原版は昨年朝鮮の国家美術展で功労賞を受賞、現在は朝鮮美術博物館に所蔵されている)、藤田観龍さんの写真「ヘイトスピーチ(差別煽動表現)を許さない、川崎市民」など、時代を映し出したメッセージ性の強い作品が来場者の目を引きつけていた。
54回展を迎え、朝鮮側代表委員の金奉■(金へんに玄)さんは「今年は新作が多かった。絵画部門に新たな作者が仲間入りし、色鉛筆画というこれまで出品されなかった分野の絵画も加わり、展覧会に彩りを添えてくれた」と喜び、日本側代表委員の小泉克弥さんは「ヘイトスピーチなどの問題が川崎で表面化し、日本国内で核開発やミサイル打ち上げなどをめぐり朝鮮への厳しい見方がある中での開催となったが、政治的な問題が絡み合う中で今年も盛大に展覧会を開催できて嬉しい」と話した。