〈特集・ウリハッキョの今〉愛知第7初級/インタビュー・李聖柱さん
2016年03月09日 09:39 民族教育私は朝青の中で育ってきた
愛知第7には初5の時に日本学校から転入してきた。愛知第7初級、東春初中(当時)を卒業したが、家庭が貧しかったため、長男だった私は愛知中高に進学できなかった。そのため、夢でもあった朝大への進学を断念し、家庭を支えるために瀬戸の修理工場に就職した。仕事帰りにバスで帰る中で、愛知中高から帰校している同級生たちとすれ違うのが嫌で、仕事以外では家に引きこもるようになった。
そんな私の救いとなってくれたのが当時の瀬戸支部の朝青だった。
仕事の後は毎日のように朝青活動をし、その過程で朝鮮人としての生きがいや自負心を育み、朝鮮人としての自己を認識していった。そして、通名だった「松本」を捨て、「李」として、朝鮮人として生きていく確固たる決意を抱くことができた。その後、教育会会長を務めて今年で16年目になる。
私は朝青に救われた。瀬戸の同胞社会に心から感謝している。だからこの地域社会を築き、守ってきた先代の気持ちを引き継ぎ、これからは自分が守らなければならないという気持ちが心の軸にある。それは、同胞の集まる場である、ウリハッキョを守ることにつながる。
ウリハッキョのいいところは民族心、別の言い方をすると「情」で溢れていること。草が生えていたら抜くし、トイレが汚れていたら掃除する。まるで自分の家のような場所のように感じていた。しかし、今はその「情」が薄れていっている。ハッキョに児童を呼び込むような活動ももちろん大事。しかし、肝心のハッキョが同胞の「情」に満ち溢れていなければ話にならない。
学校運営が難しいのは事実。しかし、問題点が多いから身動きができないというのは違う。その状況の中でも、70年という歴史の中で同胞たちが培ってきたことをいかに発揮できるかというところに、解決のカギがあるはずだ。
(教育会会長,58)