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科学技術殿堂/科学技術を全身で実感

2016年02月03日 11:22 共和国

誰もが胸を躍らせ

【平壌発=李永徳】1月にオープンした科学技術殿堂が大きな反響を呼んでいるのは、利用者たちが朝鮮労働党が掲げる科学重視や人民重視の政策を、実際に身体で実感できるからだ。

例えば、地震体験室。かつて経験したこのない揺れが起こり足がすくむ。必死に椅子にしがみついたり、思わず悲鳴を上げる者もいた。「はい、以上で終了です」。案内人の声がすると利用者たちは安堵の表情を浮かべて姿勢を起した。滅多に地震が起きない朝鮮では、このような体験を通じて学ぶことが重要だ。

基礎科学館で実験体験

基礎科学館で実験体験

男の子が急に足を止め、上を見上げながら目を丸くしている。目線の先には高さ5メートル、長さ20メートルもある恐竜の化石模型が存在感を放っている。実寸大の模型を見ること自体初めてらしく、人気の撮影スポットになっている。

次の展示館ではどんな科学に出会えるだろうか。胸を躍らせる人々の足取りはどこか早いように感じられた。至るところに様々な分野の豆知識が掲示されているため移動時も目を遊ばせている。

アニメに熱中する子どもたち

アニメに熱中する子どもたち

ハ・チョンボク副総裁(46)は誇らしげに話す。

「外国では個人や企業が科学技術を独占して金儲けの道具として利用しているが、社会主義国の朝鮮では科学技術を国家の財産として全人民に普及し、人材育成、国力強化に充てている」

「全人民」という言葉通り、殿堂は様々な利用者たちのニーズに応えられるように設備に工夫が施されている。コンピューターネットワークも多機能化、専門化されている。

子ども夢館ではあちらこちらから笑い声が聞こえてくる。

小型潜水艦に乗り込み朝鮮半島近海を海底散策。画面には海の中の世界が鮮明に映る。遠くから見たこともない魚が泳いできた。「この魚は何ていう名前?」親子で考えながら、画面に表示される名前を見て答え合せ。また一つ新しい知識を得た子どもはすごく嬉しそうだ。

一方、バトミントンで大型液晶画面に映る相手と競うゲームには人だかりができていた。

男の子がラケットをぶんぶん振り回すが得点を決められてしまった。すると周りで見ていた子どもたちも一緒になって悔しがっていた。

児童閲覧室ではコンピューターを利用しながら小中学生レベルの仮想化学実験に没頭している。バラエティに富んだ設備が備わっている子ども夢館は童心をがっしりと掴んでいた。

「子ども夢館」でバドミントンに挑戦中

「子ども夢館」でバドミントンに挑戦中

知識がどんどん頭に

障がい者閲覧室では平安南道の大同盲学校に通うチョン・クムヒョクさん(20)が一生懸命勉強に励んでいる。

コンピューターから流れる音声案内通りに点字がついたキーボードに触れる。画面が切り替わり意図していた学習ページまで辿りついた。世界の偉人に関する解説文を聞きながら知識を深めていた。一方で、聴覚障がい者は操作案内動画を通して科学技術資料を閲覧している。

障がい者のための施設もある

障がい者のための施設もある

チョンさんは「朝鮮では障がい者が健常者と同等に扱われている。素晴らしい学びの場が設けられて嬉しくて仕方がない。党が注いでくれる愛情に対して感謝の気持ちでいっぱいだ。殿堂の学習システムを利用すれば学習意欲が湧き、知識がどんどん頭に入ってくる」と喜びを語る。

国内外の最新科学技術成果は朝鮮の国家的な審議を経た後、すぐに電子化され殿堂のネットワーク上で更新され続けている。そのため専門分野で日々研究を進める利用者にとっては大きな助けになっている。

金日成総合大学平壌医学大学の遺伝医学研究所に務めているリャン・ヨンチョル室長(45)は遺伝医学における疾病の初期診断に関する英語の論文を閲覧していた。論文は2015年に執筆されたものだ。

リャン室長は、「これまでは朝鮮語で要約された資料しか手に入れられなかったが、殿堂では最新資料を原文のまま読める。すでに5回殿堂を訪れているが、その都度世界の医療水準を把握できている。ここで得た新たな知識を研究過程に反映させれば、朝鮮医学の発展につながる成果を残せそうだ」と話す。

対外交流を担当する従業員のオム・ソンナムさん(48)によれば、殿堂を見学した外国人や海外メディアは、揃って賞賛の声を上げるという。ある中国人観光客は「北京にも科学技術館があるが朝鮮の科学技術殿堂とは比べ物にもならない。これほどまでに洗練され、充実した内容が、直接人民の手に届くような科学施設は見たことがない」と感嘆していたそうだ。

殿堂では科学技術の普及センターとしての水準をさらに引き上げようと、ホームページや各種奉仕プログラムなどを手がける専門チームが利用者たちの声に耳を傾けて、日々改善策を模索している。

「全ての人民のために、もっと多くの最新資料を集め、さらに便利なプログラムを作りたい」。オープンから1ヵ月余りの間にすでに何度も幸せそうな利用者たちの姿を見てきたハ・チョンボク副総裁。その声には自然と熱がこもっていた。

(朝鮮新報)

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