ソルマジ公演/観覧者たちの声
2016年01月05日 14:11 共和国 民族教育祖国での成長を実感
【平壌発=李永徳】「学生少年たちの2016年迎春公演」(1月1日、平壌の万景台学生少年宮殿)の舞台に立った第29回在日朝鮮学生少年芸術団のたくましい姿や、祖国や同胞社会への熱い気持ちは、父母たちをはじめとした多くの観覧者たちの胸を打っていた。
東京朝鮮第1初中級学校の高泰赫さん(中2)の母、李和幸さん(42)は、高2の娘が芸術団に選ばれた2年前は、日本でその活躍を見守っていたという。今回は財政的な問題もあり息子の祖国訪問を反対していたが、「大人の事情で歌や口演が好きな息子の希望を摘み取ってはいけない」という思いで祖国に送り出した。そして「またとない機会」ということで自身も21年ぶりに祖国の地を踏んだ。
李さんは「公演で息子が本当に楽しそうに歌を歌う一方で、普段は涙を流さないタイプなのに感極まっていた姿を見て、『祖国で多くを学んだんだ。自分の決断は間違いではなかった』と実感した」としながら、「ソルマジ公演の会場では金日成主席と金正日総書記に対して自然と思いを馳せていた自分がいた。息子が今後も祖国を身近な存在として感じてほしい」と語った。
岐阜朝鮮初中級学校の金笑希さん(初6)の母、金玲華さん(41)は東濃朝鮮初中級学校(1998年に休校)で舞踊部に所属していた時、平壌学生少年芸術団(ピョンコマ)に憧れを抱き、ソルマジ公演に出演してみたいと思うようになったという。結局その夢を実現させることはできなかったが、「ソルマジ公演の舞台に娘が立つ姿を見ながら感無量であると同時に、自分の夢がひとつ叶った気持ちだ」と感慨深げに話す。
現在、岐阜朝鮮初中級学校の舞踊部講師を務めている金さんは「各地の朝鮮学校を教員、同胞たちが必死に守り抜いているからこそ、多くの児童、生徒たちが祖国で集い、ソルマジ公演に出演できる。29回も続いてきた在日朝鮮学生少年芸術団は同胞社会の財産のようなもの。その歴史を今後一度たりとも途切れさせてはいけない」と実感していた。