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〈奪われた朝鮮文化財・なぜ日本に 12〉統治権力者と日本人学者による古書の略奪

2015年08月29日 00:00 文化・歴史

人知れず日本に持ち去った伊藤博文

朝鮮文化財を大量に収奪した寺内正毅統監が収集したものが収蔵されている山口県立大学にある「桜圃寺内文庫」

朝鮮文化財を大量に収奪した寺内正毅統監が収集したものが収蔵されている山口県立大学にある「桜圃寺内文庫」

1965年にはからずも暴露

伊藤博文、曽襺(そね)荒助、寺内正毅の三者は、統監もしくは総督という植民地統治の最高位にいて、暴虐な施政をすすめた侵略の巨頭らである。

彼らは一方では、自分の権勢を盾にして朝鮮文化財を大量に収奪した文明破壊者でもあった。伊藤は高麗青磁の大コレクターであり、寺内と曽襺は朝鮮古書の蒐集家として知られている。だが伊藤が朝鮮古書の略奪者だったことも、統監府開設後の60年目の1965年にはからずも暴露された。

それはソウル大学図書館の白麟課長が旧奎章閣蔵書の調査をする過程で明らかになった。統監府臨時取調局の一公文書を偶然に発見したのである。

11年5月15日付の公文書は、当時、日本・宮内大臣の渡部千秋が寺内総督宛てに送った要望書である。おおむね次のような文面だった。

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