元山―金剛山地帯を国際的な観光地に
2015年06月18日 14:10 朝鮮半島活発化する開発事業、現地で投資説明会も
元山―金剛山にまたがる東海岸沿いの一帯を国際的な観光地帯として開発する動きが活発化している。その一環として、去る5月には「2015年元山―金剛山国際観光地帯投資説明会」が金剛山で行われ、内外の注目を集めた。
インフラ建設に着手
2014年6月に元山―金剛山国際観光地帯を造成することに関する最高人民会議常任委員会政令が発表された。その後、朝鮮政府が立てた元山―金剛山国際観光総計画に沿って、地区別細部計画が作成された。
一方、現地では、元山市を世界的な観光都市へと変貌させるための事業がスタートした。
5月20日には元山地区建設の着工式が市内の葛麻通りで行われた。現在、下水処理場をはじめとするインフラ施設の建設が行われており、今後、都市中心軸建設、住宅地区建設、産業地区建設、緑地造成および観光施設建設、宿泊施設のリノベーションが行われる予定だ。
元山―金剛山国際観光地帯は元山地区、馬息嶺スキー場地区、ウルリム瀑布地区、釈王寺地区、通川地区、金剛山地区とに分けて開発することになる。地帯開発の基本方向は、開発と運営を同時に進めるというもの。
朝鮮政府は元山―金剛山国際観光地帯内の6つの地区を短期間で開発すべく、外国の投資と技術、経験を朝鮮の実情に合わせて積極的に取り入れる政策を実施している。
元山―金剛山国際観光地帯開発のための投資誘致は、元山地区開発総会社と金剛山国際観光特区開発総会社をはじめとする国内企業が受け持つ。
地帯開発関連法によると、外国の法人、個人と経済団体、海外同胞は、元山―金剛山国際観光地帯に投資して企業、事務所等を設立し、経済活動を行うことができる。また、土地利用、労力採用、税金納付などの分野で特恵的な経済活動条件が保障される。
インフラ建設部門と先端科学技術部門、国際的競争力が高い商品とサービスを提供する部門の投資を特別に奨励し、これら奨励部門に対してはより多くの特恵が付与される。
外国企業家も高い関心
今回、金剛山で行われた元山―金剛山国際観光地帯投資説明会(5月27日)には、尹栄錫委員長をはじめ元山―金剛山国際観光地帯開発推進委員会のメンバーと世界海外朝鮮人貿易協会大連支会代表団、中国の遼寧北四達集団有限公司代表団、遼寧省湖北商会代表団、遼寧東北亜経済文化促進会代表団、香港グローバル実業投資集団有限公司代表団、スウェーデンをはじめ諸国の賓客、駐朝諸国大使館員が参加した。
投資説明会では、「元山―金剛山国際観光地帯の開発展望について」「金剛山国際観光特区の開発展望について」「朝鮮民主主義人民共和国の元山―金剛山国際観光地帯の法律的環境について」「侍中湖地区の開発展望について」と題した演説があった。各演説では、豊富な観光資源を有する地帯開発の展望と有利さなどが紹介された。空港、鉄道、道路、港湾、発電所建設などのインフラ開発計画は参加者らの耳目を集めた。
投資説明会では質疑応答も活発に行われた。
中国・北京にある高麗旅行社の副社長であるサイモン・ココロー氏は、元山―金剛山国際観光地帯内に、まもなく国際空港が建設されるという話がとても興味深かったという。サイモン氏は、「金剛山観光を希望する外国人が日を追って増加しているが、今のように平壌から陸路で向かうとなるといろいろとハードルが高い。今回の投資説明会で交通手段の開発・発展問題が議論されたことは喜ばしいことだ」と述べた。
投資説明会に続いて、元山―金剛山国際観光地帯で現在計画されているインフラ施設、宿泊施設、サービス施設、産業施設など各対象別投資相談も実施された。投資に関わる法的問題について、担当者と熱心に議論しあう外国人企業家の姿も見られた。
(金里映)