〈人・サラム・HUMAN〉大阪朝鮮スキー団団長/呂和美さん
2014年05月02日 10:00 スポーツ「子どもたちの成長が楽しみ」
きっかけは、初級部の頃に通っていたスイミングスクールが毎年恒例で企画していたスキーツアーだった。以来、斜面を滑走する爽快感に引き込まれていった。
中級部、高級部生の頃は、大阪府内の各朝青支部が主催するスキー旅行に同行し、先輩たちから優しい手ほどきを受けたという。
朝鮮大学校に進んだ決め手は、「スキー部があったから」。オフシーズンは基礎体力の向上に励み、待ち望んだ冬が到来すると気心が知れた部員たちとゲレンデを目指した。
卒業後、大学時代に痛めていた膝を再度負傷したが、それでもじっとしていられず「片足でどうにか滑っていた」と笑みを浮かべる。
89年に大阪朝鮮スキー団に入団。スキー団では同年に府内の朝・日の子どもたちを対象とした「ソルメ(そり)・スキースクール」を開校した。毎年1回欠かさず活動が行われ多くの子どもたちで賑わったが、同胞たちの「スキー離れ」により2年前から活動が滞っている。
今年で団長を務めて7年目。現在は府内の初級学校のスキー実習に帯同するなど、児童たちにスキーの魅力を教えようと奔走してきた。「大阪スキー団」のゼッケンを胸に公式戦に出場していたことは思い出深いが、「今は子どもたちの成長を見るのも楽しみ」。
「でもやっぱり『ソルメ』を復活させたい」。言葉には、先輩たちから教わったものを後代たちにつなげていこうとする強い気持ちが滲んでいた。(徳)