〈それぞれの四季〉 「スマート」な生活の代償/高明愛
2014年02月03日 09:00 文化・歴史最近、留学同盟員間での連絡先交換は、電話番号やメールアドレスではなくLineのID交換が主流となりつつある海外でも無料でやりとりでき,
一対一の会話だけでなく、グループ会話も可能になった。
今や誰もが利用しているSNSもある意味での連絡手段と化している。SNSをやっていなければ、もはや現代の「流れ」についていけないほどだろう。その世界は一分一秒で目まぐるしく変わり、どこにいても簡単に繋がってしまう。LineやSNSを通して、今まで出会うことのできなかった人たちとの出会いが可能になり、欲しい情報をいち早く得ることができるようになった。
しかし、逆に言うと知りたくない見たくない聞きたくないものには蓋をすることができる。「嫌な人はブロック、見たくないからフォローをはずして、友だちから削除すればいい」という考え方は、あまりにも浸透しているように思う。そのようにしていても、個人や集団に向けられた差別発言は垂れ流され、意図せずしてもそのようなものに出会ってしまう。それを知っていたとしても、見ずにはいられない。このようにつくられた「輪」は、自然と誰かを排除し、時には誰かを極限まで追い込むのだ。
私たちの生活がスマートになればなるほど、何が削られていっているのかを考える必要があるようだ。(京都市在住、留学同京都)