「米国から圧力かける」/国際的な人権活動家らが来日
2013年12月20日 10:18 民族教育朝鮮学校差別是正支援を表明、公民権運動と同一視
「米国議会、国務省、ホワイトハウス、メディア、教育機関に働きかけ、安倍政権に圧力をかけていく。私たちは、それを可能にする立場にある」――。米国を中心に反戦や反差別を掲げ国際的な運動を展開している「ANSWER」のブライアン・ベッカー事務総長は、日本の公権力による朝鮮学校差別を是正する運動に協力する強い意志を示しながら、そう言い切った。2010年の「高校無償化」除外を機に日本各地に広がる朝鮮学校支援の輪が遠く海を越え、米国をはじめ国際社会へと波及し始めている。
12~16日にかけて、ベッカー事務総長と、米国の反戦平和運動家で「市民正義のためのパートナーシップ基金」の共同創設者であるマラ・バーハイデン・ヒリアード国際人権弁護士が来日。この間、両氏は東京朝鮮第1初中級学校、朝鮮大学校を訪問した他、東京朝鮮中高級学校で行われた朝鮮学校支援のための「全国交流会」(「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク」主催)に参加するなど、在日朝鮮人を取り巻く日本の人権状況を視察した。
彼らが発した言葉の数々は、朝鮮学校へのあからさまな差別政策を取り続ける日本の公権力に対する怒りであり、その是正のためにたたかう在日朝鮮人とそれを支援する日本の良心への温かい連帯だった。
南アフリカで人種隔離政策(アパルトヘイト)を終わらせ、アフリカ系米国人の公民権運動を後押しした国際的な連帯運動。ベッカー、マラ両氏は、日本の社会的少数者(マイノリティ)である在日朝鮮人への差別に反対する活動を、これら世界の普遍的な人権運動と同じものとして捉えながら、「米国における反差別の長い歴史の教訓を(朝鮮学校差別是正において)共有したい」(ベッカー事務総長)と述べた。