「無償化」運動に国際連帯、朝鮮学校支援、米国にも波及/「全国交流会」
2013年12月17日 15:49 民族教育対日「圧力」に期待
「高校無償化」制度から朝鮮学校のみを除外し、それに端を発し東京、大阪をはじめ各自治体が補助金を停止している問題で、日本市民の抗議の輪が大きな広がりを見せるなか、米国を中心とした国際社会でも日本政府に差別是正を求める動きが始まっている。
15日、朝鮮学校を支援する「全国交流会」(「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク」主催)が東京朝鮮中高級学校で行われ、日本各地から230人を超える日本人支援者と朝鮮学校関係者らが参加。現在、大阪、愛知、広島では国や自治体を相手取り、「無償化」適用や補助金停止の撤回を求めて裁判が行われており、福岡(19日)、東京(来年初頭)でも準備が進められている。一方、神奈川では11日、県内外国人学校に交付している経常費補助を廃止して世帯収入に応じた学費補助制度に切り替える方針を明らかにし、この新制度に朝鮮学校も適用する考えを示すなど、変化の兆しも見え始めている。
そんななか、今回の「全国交流会」には、米国を中心に反戦や反差別を掲げ国際的な運動を展開しているブライアン・ベッカー、マラ・バーハイデン・ヒリアードの両氏が参加し、日本政府・自治体による朝鮮学校に対する差別是正を求める運動に連帯していくことが表明された。
ベッカー氏はワシントンに本部を置き世界各国で活動する数多くの反戦運動組織を網羅する国際連合体である反戦反人種差別行動(ANSWER)の事務総長を務めている。国際人権弁護士のヒリアード氏は、米国の反戦平和運動家で、「市民正義のためのパートナーシップ基金」の共同創設者でもある。
連帯のあいさつを行った両氏は、朝鮮学校差別に抗う日本での運動を、南アフリカでのアパルトヘイト撤廃運動やアフリカ系米国人の公民権運動となぞらえて話した。つまり、日本における朝鮮人差別反対行動は、世界の普遍的な差別反対運動の一環だという立場だ。