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神奈川で朝・日親善シニアサッカー大会/「何歳になってもプレーしたい」

2013年10月21日 15:54 スポーツ
高麗神奈川(灰)と高麗広島FC(赤)の選手たち。

高麗神奈川(灰)と高麗広島FC(赤)の選手たち。

第5回朝・日親善シニアサッカー大会が20日、横浜みなとみらいスポーツパークで行われた。今大会には50、60代の同胞チーム「高麗東京」、「高麗神奈川」、「高麗広島FC」、日本チームの「神奈川四十雀」が参加。東京、神奈川、広島だけでなく、大阪や神戸からも選手たちが集まった。降りしきる雨の中、かつて朝高、朝大、全国各地のサッカーチームで活躍した往年の名選手たちが熱戦を繰り広げた。また、前日には横浜市内で親睦会が開かれ、参加者たちは思い出話に花を咲かせながら、楽しいひと時を過ごした。

しのぎを削った仲間たちと再会

在日朝鮮蹴球団創立同時のメンバーである「高麗東京」の金明植さん(75)の呼びかけで2009年から広島で始まった同大会は、2回目は東京、3、4回目は広島で開催。今回初めて神奈川で行われた。地元で行われる大会をきっかけに、一時的にではあるが、「高麗神奈川」を結成。当日は4チームが総当りで試合を行った。

衰えていないのはサッカーに対する情熱だけではなかった。しっかりとしたボールタッチや正確なパス、ピッチ全体を俯瞰するようなプレービジョンに、若かりし頃の選手たちの姿が思い返された。参加者たちは互いに歓声を送り、時には檄を飛ばし合った。

「高麗広島FC」からはマネージャーの沈鈴子さん(49)も出場し、献身的にボールを追いかけた。

「高麗広島FC」からはマネージャーの沈鈴子さん(49)も出場し、献身的にボールを追いかけた。

また、「高麗広島FC」からはマネージャーの沈鈴子さん(49)も選手として出場。「年上の男性に負けられない」と毎日10キロ走り、体力づくりを欠かさないという沈さん。試合では献身的にボールを追いかけると、長い距離をドリブルで駆け上がり、シュートまで持ち込む姿も見られた。

「高麗東京」事務局の李英俊さん(65)は、「朝・日親善大会だがユニフォームに『高麗』の文字を刻んでいるだけあって、今も朝鮮人としての民族心を持ち試合に臨んでいる」と力強く語った。

体を張ったディフェンスで、果敢にスライディングもしていた「高麗広島FC」の裵学碩さん(62)は、学生当時、真剣勝負の場は年に1回の学生中央体育大会だけだったとしながら、「その頃にしのぎを削った選手たちのことは今でも忘れられない。全国の仲間たちと会えて本当に嬉しい。何歳になっても元気でプレーを続けたい」と語った。

規模拡大も視野に

JFL昇格を目標に躍進を続けるFCコリアの選手たちや、コマチュックでグラウンドを駆ける孫の年代もシニアの人々にはいい刺激になっている。

「高麗広島FC」事務局の呂正弘さん(61)は、「若い世代ががんばっている分、自分たちもサッカーを続ける姿を示せればと思っている。特に30、40代の選手たちがサッカーを続けられるように、受け皿となるシニアサッカーの形をこれからも残していきたい」と語った。

高麗東京(赤)対高麗神奈川(灰)

高麗東京(赤)対高麗神奈川(灰)

また、大会運営に携わった「高麗神奈川」の安永秀さん(58)は、「シニアサッカーで盛り上がりを見せる広島に負けじと、神奈川のメンバーにも呼びかけたところ多くの人々が集まった」としながら、「来年行われる大会にも、できれば単独チームとして挑みたい」と語った。

「高麗広島FC」の宋徳竜代表(62、広島朝高サッカー部後援会名誉会長)は、「この年になってもサッカーを続けているとは夢にも思ってなかったが、いざプレーしてみると若返った気持ちになる。若い頃に試合をした各地の選手たちとまた対戦できるように、大会の規模を拡大していきたい」と語った。

金明植代表は、「サッカーを通した交流ができてよかった。気心が知れた仲間たちとボールを蹴るのを楽しみに、年々参加者たちも多くなっている。今後は、関西地方の同胞たちも集まって、ともにサッカーをしたい」と語った。

(李永徳)

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