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心のコヒャン(故郷)-平壌を思い出した/金剛山歌劇団東京公演を鑑賞して

2013年07月08日 14:54 文化・歴史

日本体育大学の谷釜了正学長は、「とても華やかで良い公演だった。昨年、平壌を訪問した際に子どもたちの踊りを見せてもらったことを思い出した。物語性のあるサーカスで、恋物語を表現したものを観た。私も『シルム』の踊りには驚かされた。意表を突いた作品で印象的だった。日本と朝鮮、学生間の交流は今後も是非継続したいと思っている」

公演を観た日本体育大学の松浪健四郎理事長は、「とても感激した。とくに『シルム(朝鮮相撲)』の舞踊がコミカルで楽しかった」としながら、「日本と朝鮮との関係が厳しいとの声があるが、それは国と国とがそうであって、私は国民同士の関係は厳しいとは思っていない。しかし、そうした声がある中、いつまでも厳しいとばかり言ってはいられない。日朝関係がどういうふうにすればうまくいくのか。信頼関係を構築するためにはどうすればいいのかを考え、行動しなくては。われわれはその先陣を切って、今後も交流を続けて行きたいと考えている」と話した。

日本の敗戦前、平壌で過ごした平壌第一中学校の同窓会メンバーである藤澤俊雄さん、大坪哲生さん、大澤昭夫さん、佐藤知也さん、佐藤公也さん、藤川大生さんはこの日、はじめて同歌劇団の公演を鑑賞した。

公演終了後、開口一番、「すべての作品が良かった。どれが一番とは選べない」と感激しながら話す藤澤俊雄さん。それに続いて佐藤公也さんも、「選べないね。全部が素晴らしかった。ただひとつだけ、スタンダードなチョゴリを着て踊る舞踊を観たかったな。なんせ楽しい時間を過ごせた」と笑顔で話す。その思いに同意するように全員がうなずく。その表情には満足げな笑みが浮かんでいた。

佐藤知也さんは、「「デュエット『ハナ』の、若い二人が離ればなれになって最後にようやく再会するシーンでは涙が出そうだった」と語った。「高句麗時代の武士を作品化した群舞『朝天舞』をはじめ、全体的に古くから作られた朝鮮文化の伝統を今日までしっかりと受け継いでいる金剛山歌劇団に敬意を表したい。それを3世、4世が披露しているというのだから驚きだ」と藤川大生さん。

大澤さんは、平壌で暮らしていた幼い頃、「家の向かいの焼肉屋さんをはじめ、村のいろんなところからいつもチャンゴやプクの音が聞こえてきた。その懐かしい音色やあの日々を、今日また思い出した。私は『朝鮮相撲』が一番!」と破顔一笑。

大坪哲生さんもこの日の公演を通じて懐かしい気持ちになったとしながら、「平壌は私たちにとって心の『コヒャン』(故郷)。本当にすばらしい公演だった。今後の活躍が楽しみだ」と嬉しそうに話した。

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