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〈サッカー協会〉技術部が在日朝鮮青年学生代表団の活動を総括

2013年07月24日 14:01 スポーツ

在日本朝鮮人蹴球協会技術部では、6月21日から29日まで祖国を訪問し、朝鮮代表選手の追加選考を兼ねた試合に出場した在日朝鮮青年学生サッカー代表団(朝鮮大学校学生、朝鮮学校の中高級部生徒と同協会関係者で構成)の技術面における総括を行った。主な内容を紹介する。

U-19代表戦

代表団の22歳以下チームは同世代のU-19朝鮮代表と対戦し、2敗(1-5、0-2)した。

今回、選手たちは代表選手に選ばれるためには、技術面の高さだけでなく、朝鮮青年学生らしく、組織生活、集団生活にしっかり参加しなければならないということを学んだ。

また、祖国での代表選考における過度な緊張と興奮、混乱、集中力の欠如など、普段とは違う環境、条件の中で普段以上の力を発揮する難しさを学んだ。サッカー選手にとって、メンタル面の充実は不可欠な要素で、特殊な状況下でも的確な状況判断を常にしていかなくてはならないと再認識した。初戦は普段どおりの実力を発揮することすら難しかった。

朝鮮代表選手たちは基礎的なスキルが高い。とくに攻守において、ゴール前で質の高さとスピードを発揮する。

在日学生たちも局面打開やアイディア、ボールコントロールで勝る部分や朝鮮代表の選手たちとは違うゲーム感覚、ボール感覚を随所に発揮できた。しかし、ミスが目立ちカウンター攻撃を何度も食らってしまった。今後はトップスピードでのプレーの正確性、状況判断や柔軟な対応が出来るようになることが不可欠である。

朝鮮代表選手たちは同世代とは思えないほど、体格に恵まれていた。身体に厚みがあり、当たりも強い。動きのキレやスピード感でも一回り高いレベルにあった。

しかし体力、走力面では後半以降は在日学生が勝る部分があった。総合的に見ると筋力では劣るものの、持久力では優れていたと言える。今後、在日選手たちはスピード面を強化しながら、持久力をさらに育成させていくべきと感じた。

今後、在日学生から朝鮮の年代別代表選手を輩出するためには、組織生活をしっかり行える自覚の高い選手、速く激しいゲーム展開に対応できる技術、戦術とフィジカルに優れた選手を育成すべきと感じた。そして、在日社会からも早いうちから着実に練習を積み成長を重ねれば、年代別朝鮮代表選手を輩出できると思った。

(金載東・朝鮮大学校監督)

 U-17代表戦

代表団の中高級部選抜チームとU-17朝鮮代表による2戦は、ともに同じような内容、結果として0-1で在日選抜が敗れた。

朝鮮代表のサッカーはシンプルかつスピーディー、パワーとタフさがあった。対する在日選抜はパスを繋ぎながらペースをつかむスタイルだった。

体格は代表チームが一回り大きく感じられたが、球際で在日選手たちは負けていなかった。代表チームはある程度ボールは持たせてくれたが、ゴール前でのディフェンスが厳しく決定的なシュートは打たせてもらえなかった。逆にボールを奪われたあとのカウンター攻撃のスピードとパワーは凄まじく、何度もゴール前に攻め込まれた。

全体として相反する形のチームの戦いと感じられた。どちらもやろうとすることが明確だったため、自分たちのサッカーをやりきれた方に軍配が上がった。

朝鮮サッカー協会技術部の担当者は、「在日選抜チームは非常に技術が高く戦術理解度もある。期待しているのでしっかり育てて欲しい。楽しい試合が出来た」と話した。

選手、スタッフとも今回の訪問試合を通して「やり切る」重要性を感じることが出来た。どんな形でも勝つためには決めたことを最後までやり切る強さを持つ事が大事だと。また、在日チームを組んで朝鮮のチームに挑みたいと思った。

(金鍾成・在日本朝鮮人蹴球協会副会長)

 「在日朝鮮人サッカー人材育成推進の会」が発足

在日サッカーマンたちの夢の実現をバックアップする「在日朝鮮人サッカー人材育成推進の会」が発足した。

同会は「みんなの力で在日から代表へ! そして世界へ送りだそう!」をスローガンに掲げ、物心両面におけるバックアップ活動を行う。

同会では第1弾の活動として、6月に朝鮮を訪問した在日朝鮮青年学生サッカー代表団にチームジャージを贈呈した。

同会事務局では、「在日の夢をつなげるために、今後も出来る限りの協力を惜しまず活動したい。そして会への協力を日本各地に呼びかけたい」と話している。

【「推進の会」事務局】

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