第17回全国高麗書芸研究会東京展「書芸でウリハッキョを応援」
2013年06月01日 15:21 文化東北初中と福島初中に100万円ずつ寄贈
第17回全国高麗書芸研究会東京展が5月24~27日、東京・北区の北トピアで開かれ、たくさんの同胞たちが会場に足を運んだ。
展示されたのは、日本各地の高麗書芸研究会会員と書道愛好家たちによるハングルと漢字の作品59点と、北南、日本の書道家の作品。そして、特別企画として、東日本大震災犠牲者追悼一文字揮毫合作般若心経(3m×5m)、東北朝鮮初中級学校と福島朝鮮初中級学校の児童・生徒、教職員、同胞、学父母による共同制作(3m×4m)、日本各地の朝鮮学校児童・生徒たちから寄せられた東北ウリハッキョ応援旗(110cm×100cm)などの大作も合わせて展示された。
同研究会の張允植会長は、「1995年の第7回展の際に、高麗書芸研究会は、阪神淡路大震災で被災した神戸のウリハッキョに100万円を寄贈した」と語った。また、金成玉常任理事は、「今回展示された大般若心経には276文字が書き込まれているが、これらは東日本大震災により惜しくも犠牲になられた方々を追悼し、一人が一文字ずつ心を込めて書いたもの。最年少は11歳、最高齢は88歳のハルモニだ」と話した。
大般若心経を中心にして、左右に並べて展示された東北と福島の朝鮮学校ワークショップ作品には、「希望」、「志」、「誠心」などの単語と「学校は私たちを育てるゆりかごであり、くつろぎの場所でもある」、「優しい友だちがいて、尊敬する先生がいる」などの文が書かれていた。
また、各地の朝鮮学校から寄せられた5色の東北応援旗には、「心が近ければ千里も近い」(神奈川朝鮮中高等学校)、「私たちの心は一つ」(西播朝鮮初中級学校)、「一つの家族」(東京朝鮮中高級学校)、「一つの心」(北海道朝鮮初中高級学校)、「未来に向かって一歩」(西東京朝鮮第1初中級学校)など温かく力強いメッセージが書き込まれていた。
京都から展示会を観に来た金貞福さん(65)は、「同胞たちの底力を見せつけられた。耐え難い試練が立ちはだかっても、それを押しのけて前進する力強さを感じた。在日同胞にとって本当に生きづらい日本の社会で、展示会を開催する意義は大きい」と話した。
祝賀宴も
26日夕方には、祝賀宴が行われ、総聯活動家と同胞文学芸術愛好家など約40人が参加した。
東北初中の玄唯哲校長は、2月に作成したワークショップ作品について、「生徒たちが自分の希望と各地の同胞たちに伝えたい感謝の言葉を心を込めて表現したことに感動した。そして、各地のウリハッキョから寄せられた激励のメッセ-ジを見て、東北初中にたくさんの同胞たちの関心が寄せられていることを実感した。生徒数は少ないけれど、子どもたちを朝鮮人として立派に育てていきたい」と述べた。
福島初中の金政洙校長は、祝電を通じて「東日本大震災による福島原発事故は、ウリハッキョにも取り返しようのない甚大な被害を与え、同胞の生活は一変した。私たちは祖国と総聯、温かい同胞たちに支えられて、最も困難な時期を乗り越えることができた」と感謝を述べ、「教職員たちはこの愛情を力に変えて、大切な子どもたちのためにすべての力と知恵をつくしていきたい」との決意を述べた。
また、文芸同中央の金正守委員長は、「高麗書芸研究会は専従活動家がいない中、24年間にわたり日本で民族書芸を発展させるため尽力してきた。民族書芸運動が在日同胞の民族性を守るうえで大きな役割を果たしている」と祝杯の辞を述べた。
祝賀宴では高麗書芸研究会の申英愛副会長が、東北初中と福島初中に贈る支援金それぞれ100万円ずつを玄唯哲校長に手渡した。
同研究会は次回展示会を大阪で開催する予定だ(時期未定)。
(文 金潤順、金秀卿、写真 文光善)