〈朝鮮民族の美 52〉鄭●(善に攵)「金剛全図」
2013年04月27日 10:41 文化・歴史鄭●(善に攵)はれっきとした両班の家に生れ、幼年の頃から儒学を学び、少年の頃、すでに学識の豊かさを認められて、王世子の学友(衛率=위수)に選ばれ、その一方で絵の才能を発揮した。

紙本淡彩、130.7×94.1cm、湖厳美術館 ソウル大学校 博物館
この金剛全図は、彼の信じた儒教の世界観に基づき、金剛山を一つの天下(太極)として、それが右側の骨山(花崗炭山、陽)と左の土ら(樹林地帯、陰)となって、毘盧峰より左下へ太極旗のようにS字を描いて分れ、その中央には万瀑洞の横に大きな岩(土)があり、万瀑洞から全山の水を集めて左下の長安寺の飛虹橋へ流れ下る(水)とした。
さらに右側の峰々は(火)のように燃え上り、毘盧峰の下のきらめく剣のような峰々は(金)だとする。
さらに左の土山の緑の樹林は(木)である。こうして金剛山は太極-陰・陽-五行(木火土金水)が典型的に具現され、-木一草が「森羅万象」となって、ここに花開くとしたのである。鄭●(善に攵)は、このように民族の霊山・金剛山を民族の幸福な未来、平和な理想郷として描いたのであった。
そしてこの「詩書画一体」となるこの絵の右上の詩に曰く。「一万二千の峰々をだれが良く描こうか。その香気は曰をあびる樹々にあふれ、ふり積もる気運となって充満する。
岩の峰々は蓮花のごとく輝き、松栢は玄妙な教えの門となる。ただ、この脚あまねくその頂きを踏むとも、枕辺により心ゆくまで「ての絵」を朓むるに如かずや」画家の自信、思うべし。
(金哲央)