未来への抱負を胸に、朝鮮大学校入学式/入学生、父母の思い
2013年04月12日 22:02 民族教育10日行われた朝鮮大学校入学式。入学生たちは未来への抱負で胸を躍らせ、父母たちも息子、娘の晴れやかな姿を見ながら将来の活躍に期待を寄せた。
教育学部・3年制教育学科に入学した李日華さん(愛知朝高出身)は固い決意を抱いて、朝鮮大学校に入学した。李さんの父は約30年間、民族教育に情熱を注ぎ、昨年7月に殉職した四日市朝鮮初中級学校の故・李章哲校長。「父と共に教壇に立つ」という夢は実現しなかったが、入学式を迎えた彼女の顔は希望に満ちあふれていた。「父の意志を受け継いで、必ず教員になりたい」。
教育学部・4年制教育学科に入学した趙誠泰さん(広島朝高出身)は、サッカー漬けの毎日を送っていた初、中級部生の頃、鄭大世選手のような代表選手になりたいという夢を抱いた。しかし、高級部の部活を通じて自分と同じ夢を持った生徒たちにサッカーを教えたいという思いが募っていった。「サッカー選手になる夢も大切だが、選手を育てるのも大切」。第二、第三の「鄭大世」を育てる指導者への夢を趙誠泰さんは熱く語った。
神戸朝高出身の朴涼姫さんは、バレーと体育を教えてくれた女性教師に憧れ、彼女のような先生になりたいと、朝鮮大学校・体育学部に入学した。「初級部から民族教育を受けてきたが、『ウリ』についてまだわからないことが多く、未熟な点も多い。4年間、多くのことを学び成長したい。卒業したら母校に帰り、学校を守っていきたい。尊敬し、目標にしている先生と同じ教壇に一日でも早く立てるようにがんばりたい」と抱負を語った。
理工学部に入学した金穂香さん(神奈川朝高出身)は、高3の時に、祖国を訪問をした。その時祖国に住む親戚を含めすべての人民たちがもっといい環境で暮らせれば、と思った彼女は、科学技術で祖国と同胞社会に貢献できる研究者になろうと決心し、理工学部を選択したという。「寄宿舎生活は初めて。寝食を共にし、同じ志を持ち、一生付き合っていける友だちを作れるよう努めたい」と語った。
「息子が誇り」
政治経済学部に入学した金志弘さん(東京朝高出身)の祖父である金永吉さん(78)は、孫の門出を迎えてうれしそうに話した。「政治情勢が複雑な中で、孫が朝大に入学した。この子らがこれから、同胞社会で重要な役割を果たしていくための力と知恵を習得していくのかと思うと、感無量だ。祖国を大事に思い、同胞社会を守っていく人材になれるよう頑張ってもらいたい」。
政治経済学部に入学した高隆二さん(大阪出身)は、高3になってから居住地域の支部に行く機会が増え、活動家の話を聞いたり実際に自分の目で同胞社会の現状を見ながら、自分が最前線で活動しなければと思ったという。父、高元亨さん(54)と母、李典叡さん(46)も朝大卒業生である。「朝大でしか学べないことが多いし、ここでしか出会えない友人を作ることができる。自分が決めて入学したので、目標通りしっかり学び、たくましい活動家になり、同胞社会を守ってもらいたい。親としては、活動家になりたいという息子を誇りに思う」と期待を寄せた。
外国語学部出身の李鐘根さん(55)は、息子を同学部に送り、今回、娘の李那優さんも同学部に入学した。「息子と娘が、自分も学んだ外国語学部に入ったことは嬉しいが、その反面、娘が親元を離れて寄宿舎で生活することを考えると正直寂しくもあり心配もある。しかし自ら選んだ道なので、朝大で過ごす時間を大切にして、朝鮮人として立派に育ってくれることを願う」と語った。
(文-李永徳、金里映、金秀卿、写真-盧琴順)