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〈朝鮮民族の美 47〉申潤福「美人図」(部分)

2013年03月01日 14:22 文化・歴史

この美人は、おそらく当時の名高い妓生の一人をえがいたものであろう。いくつも渦巻きをなす華やかな黒髪の下の明眸。眉細く鼻筋とおり、小さな唇は花びらのように鮮やかである。

絹本着色(114.2X45.7cm、潤松美術館蔵)

今、お勤めを終え、一人部屋に帰り、ホッとして、まず胸を締め付けていた下着の紐を解いたことは、左腕の下に臙脂色の紐が垂れているのでわかる。次いでチョゴリの紐を解こうと胸の飾り玉を持ったところなのだ。

申潤福は、どうしてこのような可憐で美しい女性像を丁寧に描き上げたのだろうか。多分、彼はひそかに遠く思慕していた女性の面影を、このように描き残そうとしたのであろう。当時、都で有名な第一級の妓生を呼ぶためには、大変な金が必要で、一介の画員に過ぎない彼にとって、それは夢のような話であった。

そのためだろうか。彼は、この画を心を込めて仕上げた後、題詩として曰く。「盤薄胸中萬化春 筆端能與物伝神」(小さな胸に秘められた女人の移ろう春の情を、画筆が良くその真実を写し取れただろうか)。これは問題の提起であろうか、それとも自負であろうか。こうして朝鮮朝でも稀な、しかもきわめて美しい女性の画像が出来上がったのだ。その後、彼は女性を描く画家として有名になり、ついには不埒な絵を描いたとして追放されるのである。

(金哲央)

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