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日体大が訪朝報告書を発行

2013年03月15日 13:33 スポーツ

清々しいスポーツ交流生き生きと

日本体育大学の関係者と学生ら46人が昨年、朝鮮の首都、平壌を訪問し、歴史的なスポーツ交流を行った。

そのもようがこのたび、冊子「朝鮮民主主義人民共和国第一次遠征報告書~日本体育大学と朝鮮体育大学とのスポーツ交流~」として発行された。

日体大・同女子短大が発行した報告書

同書を読めば、昨年11月11日から5日間、平壌で朝鮮の人民と交流した大学役員、柔道部、サッカー部、レスリング部の学生、帯同医師、トレーナーらの様子と共に、関係者や学生たちのリアリティーあふれる感想を知ることができる。カラー写真満載で美しく仕上がっている。

訪朝団団長を務めた同大学の松浪健四郎理事長は、「国賓級の歓迎」と題した報告文でこう記した。

「わが国民の中には、朝鮮民主主義人民共和国への批判者が多い。が、それは政治の話であって、国民と国民の友好、交流にまでブレーキをかけるのは行き過ぎだと思うゆえ、私どもは『スポーツ交流』という目的でオリンピックイヤーにふさわしい時機に訪朝した」「この遠征が日体大の年中行事となることを願っている。国際化が進むが、私どもは国家に協力する形での交流を推進したと思う」

また、副団長だった谷釜了正学長は、「国境を越えて」と題した報告文で、「朝鮮体育大学の選手との練習・稽古による交流会ではアスリート同士の心が通い合い、言語を超えて、互いに技能を練磨している姿が見られ、そこには国の違いが見えてこない。そのひとときは、恐らく、触れ合った者同士でしか共感し得ないものに違いないだろう」「柔道会場は3,500人、レスリング会場は4,000人、サッカーの金日成スタジアムは40,000人もの市民が、それぞれ駆けつけてくれた。学生たちにとって後にも先にもこんな観客の中で試合に臨むことはないに違いない」と指摘した。

文章と共に多くの写真が掲載されている。

一方、学生たちの青年らしい素直な感想に心打たれた。

「平壌市内に入るととても大きな建物があったり人がたくさんいたりと、最初に朝鮮という国に対して抱いていたイメージとはだいぶかけ離れていた」(荒川義旗、4年、柔道)、「練習が始まると、言葉は通じずとも柔道を通じてお互いにコミュニケーションを取ることが出来た」(大河原光、4年、柔道)、「あらためてサッカーを含めスポーツは世界共通のものであり素晴らしいものなのだと実感した」(新井純平、4年、サッカー)、「自分たち日本人にはとても優しく接してくれて本当に快適な訪朝だった」(伊藤幹人、2年、サッカー)、「今回の交流試合でこれからの課題が山ほど見つけることができ、自分はまだまだ一流には程遠いと感じた」(音泉秀幸、4年、レスリング)などと記している。

(李東浩)

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